- 2026年6月16日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:アフガニスタン
- トピック:女性の権利

5月14日にタリバンが公布した法令は児童婚を容認しており、アフガニスタンにおける女性と少女の権利をめぐる悲惨な状況をさらに悪化させるものだ。
この法令「配偶者の司法上の別離に関する法規」は、女性や少女が婚姻関係からの別離を求めることができる状況を定めているが、幼少期に取り決められた結婚を認める規定が含まれ、女性や少女がこうした結婚に異議を唱えたり、そこから抜け出したりすることを制限している。
これは、アフガニスタンにおける女性と少女の権利のすでに悲惨な状況をさらに悪化させるものだ。同意という概念をなくし、婚姻の取り決めに対する男性親族の支配を認め、強制的な結婚に異議を唱える手段をほとんど与えていない。実質的に女性と少女から自律性を奪うとともに、児童婚を制度化し、常態化させるものだ。
この法令の公布以前は、配偶者の別離を具体的に規定した成文化された単一のタリバンの法律は存在しなかった。婚姻上の争いや別離は、タリバンの宗教的布告、シャリーア(イスラム法)に基づくハナフィー学派の解釈、タリバンの判事による非公式あるいは極めて裁量的な裁判の運用の組み合わせによって処理されていた。
同法はまた、思春期を迎えた少女の沈黙を結婚への同意と解釈するなど、極めて問題のある結婚同意の基準を導入している。こうした基準は強要や脅しにつながる危険を高め、強制結婚を招きかねない。さらに未成年者の結婚を取り決める広範な権限が父親や祖父に与えられていることで児童婚も助長される。加えて、特定の条件下では、親族による結婚の取り決めも法的に有効と認められている。
この法令は、児童婚や強制結婚からの保護、婚姻における平等を保障し、婚姻には明確かつ自発的で相互の同意が必要だとする国際人権法に反するだけでなく、女性の私生活に対する権限を男性後見人が支配する制度を強化するものであり、独立した権利主体である女性の地位を損ねるものである。
結婚に異議を申し立てようとする少女たちには、法的・手続き上の大きな障壁が立ちはだかる。異議申し立ては裁判所の承認を得て、かつ少女が思春期に達した後にのみ認められる。男性が結婚を解消する際には同等の障壁を設けておらず、通常、証人や司法の確認、あるいは複雑な手続き要件を必要とせずに、一方的に離婚できるとなっており、明らかに性差別が反映されている。
アムネスティは、この法令についてアフガニスタンの法律の専門家5人に話を聞いた。
タリバンによる弾圧から逃れ、国外で活動を続けるアフガニスタンの法律家らによって結成された組織の副代表であり、タリバン統治下のアフガニスタン女性の人権と法的保護のための組織の創設者であるナジラ・ラヒルさんはこう述べた。
「これはあからさまに女性蔑視の法律であり、特に家庭内で困難にさらされる女性たちの基本的権利を著しく侵害している。今回の法令の諸規定は女性が配偶者を選ぶ自由を制限し、結婚適正に関する決定権を男性の手に委ね、夫が不在だったり行方不明だったりした場合には、女性は非常に厳しい状況に置かれる」。
アフガニスタン在住の匿名を希望するある弁護人も「タリバンは、女性や子どもに対し、自由を制限し、基本的人権を無視し、伝統的な家父長制の構造を強化する姿勢であることを、再び示した。こうした規定には、女性や少女の自立、自律性、そして人間の尊厳を制限する慣行を常態化させ、正当化しようとする意図が反映されている」と話す。
アムネスティは国際社会に対し、外交的圧力や、タリバン事実上の当局との、人権や法の支配の原則に基づく対話を通じてただちに行動を起こし、こうした過酷な法律や規制すべて撤回させるとともに、正式な法制度の復活、アフガニスタンにおける人権と法の支配の確立を求めるよう呼びかけている。
背景情報
2021年8月以前は、アフガニスタンの民法では少女の法定結婚年齢を16歳と定められており、2009年の「女性に対する暴力撤廃法(EVAW)」の下、15歳未満の少女との結婚が犯罪とされていた。また、家庭裁判所、検事総長局および内務省内の専門部署、女性に対する暴力、児童婚、家族の分離問題を担うハイレベル委員会など、女性や少女に対する暴力や差別に対処するための法的・制度的枠組みが存在していた。
こうした保護措置の実施には、一貫性に欠けることもよくあり、重大な障壁も残っていたものの、それでも女性や少女に保護と司法利用のための法的手段が、ある程度提供されていた。しかし今は、こうした法律や制度的枠組みはタリバンによって解体され、ジェンダーの不平等をさらに強固にし、女性の権利と自律性を制限する、極めて差別的で抑圧的な体制に置き換えられた。
一連の動きは、教育、雇用、公的生活への参加に対する障壁を含め、女性や少女の権利への制限が強まる大きな流れの中で生じている。
タリバンが権力を再掌握した後、アフガニスタンの法的・公式な司法制度は崩壊し、2022年11月には、タリバンの最高指導者がアフガニスタンにおけるシャリーアの完全実施を義務付ける命令を発した。
国連の報告書を引用したメディア報道によれば、2021年8月の権力掌握以降、タリバンは470件以上の布告、指令、命令を発しており、そのうち79件は特に女性や少女を対象としたものだった。
アムネスティ国際ニュース
2026年6月10日
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