- 最新情報:
- 2016年9月13日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2016年8月24日 (更新情報)
- 2015年12月25日
- 国名:
- ヨルダン
- 対象者:
- シリア難民(男女)
- 期限:
- 2016年10月13日
- 配信日:
- 2015年12月25日
- UA No:
- 280/2015
ヨルダン政府は、妊婦、子どもや高齢者を含むシリア難民1万2000人の入国を拒否している。彼らは今、ヨルダン・シリア国境の辺鄙な砂漠地帯に取り残されている。
シリアの武力紛争から逃れた多数の人びとが、ヨルダン・シリア国境地帯のヨルダン側に取り残されている。11月以来、毎日数百人の難民がヨルダン国境に到着している。
ヨルダンの北東部国境におけるシリア難民は、最近になって急増している。彼らの多くは必死に援助を求めているが、ヨルダン政府は国際団体がその地域へ入ることを制限している。11月から2月へかけての冬季には、気温は国境の砂漠地帯では氷点下にもなる。国境に取り残された難民たちは仮の避難所で暮らしている。彼らには、国際支援機関からの限られた食糧、飲料水、毛布、医薬品があるだけである。
国境にいる人びとの中には、妊婦、子ども、高齢者や重病患者もいる。ヨルダンに入国するために3カ月も待っている難民もいる。まったく入国を拒否されている難民もいる。ヨルダン国境で数週間待った後にシリアに引き返すことにした難民もいた。
シリアの武力紛争は激化している。レバノンとトルコはシリア難民の大多数に対して国境を閉鎖した。これによって、シリアからヨルダンの北東部国境へ向かう難民が増加したものと思われる。
シリアの紛争は、広範囲の人権侵害、戦争犯罪と人道に反する犯罪を引き起こしているので、難民としての保護を求めるシリアの人びとには国際的な保護が与えられなければならない。保護を必要とする人びとに国境を閉ざすことは、迫害および深刻な人権侵害や虐待の可能性がある地域へ送還しないというヨルダン政府の責務に違反している。これはノン・ルフールマン原則として知られている。
もっと読む
追加情報
ヨルダンは63万2000人を超えるシリア難民を引き受けている。400万人以上のシリア難民を引き受けているシリア周辺5カ国の一つとなっている。2015年におけるヨルダンへの国連人道支援基金予算の内、国際社会が拠出したのは52%に過ぎない。さらに、わずかに160,664カ所の再定住地がシリアからの特に厳しい状況にある難民に提供されただけだ。
2012年からヨルダンはシリア難民の入国を徐々に制限して、紛争を逃れる難民に対して国境を閉ざすようになった。ヨルダンの都市ラムサとシリアのデラアの間にある正式の国境検問所は2012年に閉鎖され、それ以来シリアから逃れたパレシチナ人、ヨルダンに家族がいることを証明できない男たち、身分証明書を持たない人びとなどの入国が阻止された。2013年半ば以来、西部と東部の国境検問所もまたシリア難民に対して閉ざされた。例外的に、戦争で負傷した人びとやヨルダンの基準に基づく最も困窮している人びとは入国を認められたが、その中には治療を受けてシリアへ送還された者もいた。これはヨルダンの慣習法上の国際義務に対する違反である。2014年5月、ヨルダンはヨルダン居住許可を持たないシリア人の国際空港での入国を特別な例外を除いて認めないこととした。2014年7月、ヨルダンは北東部検問所での入国を厳しく制限することとしたため、多くの難民がハダラトとルクバンの検問所で取り残された。
ヨルダンは国境閉鎖に関して公式の説明を行っていない。2015年3月、国連シリア危機地域対策のための人道支援基金拠出を目的とする第3回シリア国際誓約会議において、ヨルダン首相はシリア難民に対処するヨルダンの許容力は限界を超えたと述べた。アムネスティは、ヨルダンやこの地域の国ぐにが負っている途方もない負担を認め、国際社会が緊急にもっと大きな責任を分かち合わなければならないと考える。しかしながら、ヨルダンは紛争と迫害を逃れるシリア難民を保護し、彼らの入国を受け入れる義務があるのだ。
- 最新情報:
- 2016年9月13日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2016年8月24日 (更新情報)
- 2015年12月25日
- 国名:
- ヨルダン
- 対象者:
- 国境付近の難民(男女)
- 期限:
- 2016年10月13日
- 配信日:
- 2016年8月24日
- UA No:
- 280/2015
ヨルダン政府は、6月21日、シリアとの国境を封鎖した。これにより、約8万人の難民が、ベームといわれる砂漠高地で砂嵐と猛暑の中で立ち往生している。人道支援の手も、今のところ届いていない。
6月21日、シリア国境沿いのヨルダン軍が管理する検問所で自爆攻撃があり、治安要員の7人が死亡、13人が負傷した。これを受けてヨルダン政府は、シリアとの国境を封鎖した。そのため、8万人の難民がベームと呼ばれている砂漠地帯で立ち往生する事態となっている。国境が封鎖される前は、人道支援組織がベームの難民に最低限の物資は提供することができた。しかし、封鎖以降は接触することができない。難民の半分以上は子どもだろうという。アムネスティは、難民が適切な援助と保護を受けられる、ヨルダンもしくは他の第三国へ直ちに移送されるように要請している。
6月21日以降は、ベームの難民には非常に限られた水しか届けられていない。WHOの定めた緊急時生存のために最低限必要な水分は1日一人当たり15リットルだが、この封鎖地域付近には、1日一人当たり5ないし6リットル程度しか届いていない。人道援助団体は、8月4日、封鎖以降初めて、ヨルダン側からクレーンでフェンス越しに食料や衛生用品一式を投げ入れた。援助物資の投下は、支援団体とヨルダン政府との話し合いの結果であるが、国連世界食糧計画は、ヨルダン政府の一時的な支援でしかないと述べている。これらの支援物資が、すべての難民に行き渡るかどうかという懸念もある。
ベーム付近の難民の多くは、劣悪な衛生状況に苦しんでいるが、食料・水・下水設備の不足は、さらに事態を悪くしている。国境封鎖以降、政府は、大怪我でさえも治療を認めていない。支援団体によると、新生児の死亡、出産時の妊婦の死亡、出血性下痢、黄疸、肝炎、視力喪失などが多発しているという。
- 最新情報:
- 2016年9月13日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2016年8月24日 (更新情報)
- 2015年12月25日
- 国名:
- ヨルダン
- 対象者:
- シリアとの国境付近の難民
- 期限:
- 2016年10月13日
- 配信日:
- 2016年9月13日
- UA No:
- 280/2015
シリアとの国境沿いのベームという砂漠高地で立ち往生している約8万人の難民問題の解決に向けた協議が続いている。難民の状態は今も懸念されるものの、新たな情報が得られるまでこの緊急行動は中断する。
8月17日、アムネスティは、シリアとの国境沿いにあるヨルダンのルクバンからハダラットに至るベームという砂漠地帯に立ち往生している8万人の難民について(その半数以上が子どもとみられる)緊急行動を呼びかけた。この事態は、6月21日のルクバン軍事基地への自爆攻撃の後、国境が封鎖されたために起きた。
何カ月も立ち往生が続く難民には、人道支援が非常に限定的で、水やトイレなどもなく、難民申請する手立てもない厳しい状態が続いている。とはいえ、協議が進む中、新たな情報が届くまでこのヨルダンと米国当局への呼びかけをいったん中断します。
今後も状況を注視していきます。これまでご支援いただいた方には、感謝申し上げます。