- 最新情報:
- 2018年7月27日 (stop情報)
- 更新履歴:
- 2018年7月20日 (更新情報)
- 2018年2月28日 (更新情報)
- 2016年10月 3日
- 国名:
- 日本
- 対象者:
- オウム事件の死刑確定者13人(全員男性)
- 期限:
- 2018年8月29日
- 配信日:
- 2016年10月 3日
- UA No:
- 213/2016
1995年、宗教団体のオウム真理教が都内の地下鉄で猛毒のサリンを散布し、死者13人、負傷者6000人以上を出した。この地下鉄サリン事件や関連事件の凶行に加わった信者の東京高裁での裁判が終了した。これにより、死刑が確定している信者に対する執行が、いつあってもおかしくなくなった。
オウム真理教は、地下鉄サリン事件のほか松本サリン事件、坂本弁護士一家殺害事件などの凶悪事件を引き起こした。それらの実行犯13人は、2006年から2011年にかけて別々の裁判で死刑判決を受けた。
一連の事件の容疑者の判決が下されたことで、死刑確定者が証人として出廷することもなくなり、当局は、いつでも死刑の執行ができるようになった。
8月3日に就任した金田勝年法務大臣は、就任会見で次のように語っている。「...その罪責が著しく重大な凶悪犯罪者に対しては、死刑を科することもやむをえない(中略)、死刑を廃止することは適当ではない…」。その後も同趣旨の発言を繰り返してきた。
日本では、死刑は絞首刑で、通常は秘密裏に執行される。死刑確定者は、数時間前に執行を告げられるが、知らされない場合もある。したがって、法的救済策が尽きた死刑確定者は、いつ執行されるかもしれないという恐怖の中で毎日を過ごす。家族が執行を知らされるのは、一般的には執行後だ。
※13人の死刑確定者の中には、拘禁症などにより、「昏迷(感情や言語の表出や行動が全くなくなった状態)」状態になるまで症状が悪化し、複数の精神科医から心神喪失の状態にあると判断された者も含まれている。刑事訴訟法479条1項によれば、心神喪失の状態にある者に対して執行は停止されることが定められている。
また、再審請求中の者もおり、こうした死刑確定者を執行することは、国際基準や国際法上許されない。
なお、死刑確定者をめぐる処遇の問題は、緊急に改善されなければならない。精神疾患を有する者に対する治療の状況は、全く明らかにされていない。情報を公開し、死刑廃止の国民的議論を開始する必要がある。
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オウムの死刑確定者が犯した罪は、サリンの兵器実験、散布による殺人、殺人未遂、誘拐などだった。
13人は、井上嘉浩、遠藤誠一、土谷正実、豊田亨、中川智正、新実智光、端本悟、早川紀代秀、林康男、広瀬健一、松本智津夫(麻原彰晃)、宮前一明、横山真人 (敬称略、あいうえお順)。この中で最後に死刑が確定したのは遠藤被告で、2011年11月21日だった。
死刑の執行は、他の信者の判決が確定するまで延期されていた。刑事訴訟法第475条は、共同被告人の判決が確定するまで、死刑の執行を認めていない。今年9月に最後の容疑者の実質審理が終了して有罪が確定し、再審請求や恩赦手続が終了し、死刑確定者が証人として出廷する可能性がなくなったため、その執行が可能となった。
日本では昨年、3人が死刑を執行され、4人が死刑判決を受けた。昨年末現在の死刑確定者と死刑囚は計143人で、そのうち126人の死刑が確定し、死刑執行を待っていた。今年3月25日には、2人に死刑が執行された。
秘密裏の執行は、死刑の国際法および国際基準に違反する。秘密裏の執行および死刑確定者に対する法的保護措置が不十分であるため、国連機関や専門家から頻繁に非難されてきた。不十分な法的保護措置には、弁護人との接触の制限、死刑判決に対する強制的上訴制度を欠くことなどがある。また、精神障がいや知的障がいの死刑確定者に、死刑が執行されてきたことも周知のことだ。
現時点で140カ国が死刑を法律上、または事実上廃止している。昨年には、コンゴ共和国、フィジー、マダガスカル、スリナムの4カ国が、例外なく死刑を廃止し、モンゴルでは、死刑を廃止する刑法が可決され、来年7月から施行される。死刑は、世界人権宣言が定める生存権を侵害し、残虐、非人道的かつ品位をおとしめる究極の刑罰である。したがって、アムネスティは、犯罪の性質や状況、有罪・無罪、個人の特質、執行手段などにかかわりなく、すべての死刑に例外なく反対する。
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- 2018年2月28日 (更新情報)
- 2016年10月 3日
- 国名:
- 日本
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- オウム事件の死刑確定者13人(全員男性)
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- 2018年8月29日
- 配信日:
- 2018年2月28日
- UA No:
- 213/2016
地下鉄サリン事件や関連事件の凶行に加わり死刑が確定しているオウム真理教幹部ら13人は、逃亡の後、出頭した2人の裁判が終結したことにより、いつ死刑を執行されてもおかしくない状況となった。
1995年、オウム真理教は、地下鉄サリン事件のほか松本サリン事件、坂本弁護士一家殺害事件などの凶悪事件を引き起こした。それらの実行犯13人は、2006年から2011年にかけて別々の裁判で死刑判決を受けた。13人の判決はすでに確定していたが、他の被告の裁判が結審していなかったため、刑事訴訟法第475条に従い、これまで死刑執行が行われなかった。
2012年、一連の凶悪事件に関わったとされていた2人が、17年に及ぶ逃亡の末に出頭し逮捕された。2017年12月25日、うち1人は計画について知らなかったとして無罪判決が確定した。2018年1月25日には最高裁が残り1人の上告を棄却して無期懲役を言い渡した。
これにより、起訴されていた信徒192人全員の判決が確定し、死刑確定者が証人として出廷することもなくなり、当局はいつでも彼らに死刑の執行ができるようになった。
死刑確定者のうち数人は再審を請求しているが、その審査が終わる前に死刑が執行される可能性がある。これは、国連の「死刑に直面している者の権利の保護を確保する保障規定」に違反する。さらに刑事訴訟法第475条2項は、上訴権回復や再審の請求をしている者に対して、その手続きが終了するまで、死刑の執行命令は出すことができないとしている。
しかし、1999年から2016年まではなかったが、昨年は再審請求者の執行が3件あった。死刑の執行命令をだした金田勝年元法務大臣及び上川陽子法務大臣は、再審請求中の者も死刑の執行対象から除外しない見解を発表している。
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死刑が確定しているオウム真理教団幹部13人は、井上嘉浩、遠藤誠一、土谷正実、豊田亨、中川智正、新実智光、端本悟、早川紀代秀、林康男、広瀬健一、松本智津夫(麻原彰晃)、宮前一明、横山真人 (敬称略、あいうえお順)。彼らが犯した罪は、サリンの兵器実験、散布による殺人、殺人未遂、誘拐などだ。
日本の刑事訴訟法第475条2項は、「前項の命令は、判決確定の日から六箇月以内にこれをしなければならない。但し、上訴権回復若しくは再審の請求、非常上告又は恩赦の出願若しくは申出がされその手続が終了するまでの期間及び共同被告人であつた者に対する判決が確定するまでの期間は、これをその期間に算入しない」としている。
日本は、過去30年、死刑の執行がなされなかった2011年を除いて、年間1人から15人に死刑の執行を行ってきた。日本では、死刑の執行が秘密裏に行われるが、これは死刑に関する国際法および国際基準に違反する。死刑確定者に対する法的保護措置が不十分であることも、国連機関や専門家から頻繁に非難されてきた。不十分な法的保護措置には、弁護人との接触の制限、死刑判決に対する強制的上訴制度を欠くことなどがある。
また、日本は精神障がいや知的障がいの死刑確定者に対しても死刑の執行を行っているが、これも国際法や心神喪失の状態にある者に対する執行の停止を定める刑事訴訟法479条1項に違反している。13人の死刑確定者の中には、拘禁症などにより、「昏迷(感情や言語の表出や行動がまったくない)」状態になるまで症状が悪化し、複数の精神科医から心神喪失の状態にあると判断された者も含まれている。
死刑確定者・松本智津夫もその一人で、2005年と2006年には精神科医によって、続いて2007年には日本弁護士連合会が彼の拘禁症による健康状態の悪化について懸念の声を上げた。彼の娘によると、過去10年、家族や弁護人を含め外部の者が父親と面会することができていない。故に、彼の精神状態を正確に把握することが難しいという。
死刑は、世界人権宣言が定める生存権を侵害し、残虐、非人道的かつ品位をおとしめる究極の刑罰である。したがって、アムネスティは、犯罪の性質や状況、有罪・無罪、個人の特質、執行手段などにかかわりなく、すべての死刑に例外なく反対する。昨年4月11日時点で、141カ国が死刑を法律上、または事実上廃止している。
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- 2018年7月20日 (更新情報)
- 2018年2月28日 (更新情報)
- 2016年10月 3日
- 国名:
- 日本
- 対象者:
- オウム事件の死刑確定者6人(全員男性)
- 期限:
- 2018年8月29日
- 配信日:
- 2018年7月20日
- UA No:
- 213/2016
数々の凶悪事件の実行犯として死刑が確定したオウム真理教元幹部ら13人の残る6人の死刑執行が、差し迫っている。再審請求中の死刑確定者を執行してはならないという国際法に違反する行為を再び繰り返すおそれがある。
川上陽子法務大臣は7月6日、13人のうち7人の死刑を執行したと発表した。執行日の事前通告はなかった。オウム真理教が引き起こした1995年の地下鉄サリン事件や坂本弁護士一家殺害事件など一連の凶悪事件の実行犯13人は、2006年から2011年までに行われたそれぞれの裁判で死刑判決を受けた。13人のうち7人の死刑が7月6日に執行されたが、1日で7人の執行は、近年ではないことだった。
残る6人の執行も、いつあってもおかしくない。端本悟さん、広瀬健一さん、豊田亨さんは、東京拘置所に収監されており、林泰男さん、横山真人さん、宮前一明さんは、それぞれ別の拘置所に移送された模様だ。今年1月までは、13人の判決は確定していたが、他の共同被告人の裁判が結審していなかったため、刑事訴訟法第475条に従い、死刑執行が行われることはなかった。
弁護団によると、残る6人のうち複数名も再審手続き中だという。再審請求中など訴訟中の死刑執行は、国連の「死刑に直面している者の権利の保護を確保する保障規定」に違反する。さらに日本の刑事訴訟法第475条2項は、「前項(死刑の執行)の命令は、判決確定の日から六箇月以内にこれをしなければならない。但し、上訴権回復若しくは再審の請求、非常上告又は恩赦の出願若しくは申出がされその手続が終了するまでの期間及び共同被告人であつた者に対する判決が確定するまでの期間は、これをその期間に算入しない」としている。
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日本は、過去30年、死刑の執行がなされなかった2011年を除いて、年間1人から15人に死刑の執行を行ってきた。
1999年から一昨年までは、再審請求中に執行されることはなかった。1999年から2016年までは、再審請求者は、1人も執行されなかった。しかし、2017年になると、最新請求中の3人に死刑が執行された。2017年に執行命令に署名した2人の法務大臣はそれぞれ、「再審請求をしているからといって、執行を免れるものではない」と語った。日本では、被告人は判決に対する上告申請は14日以内と定められている。上告をしなければ、直ちに刑が開始される。
日本では、死刑の執行が秘密裏に行われるが、これは死刑に関する国際法および国際基準に違反する。秘密裏の執行および死刑確定者に対する法的保護措置が不十分であることは、国連機関や専門家から頻繁に非難されてきた。不十分な法的保護措置には、弁護人との接触の制限、死刑判決に対する強制的上訴制度を欠くことなどがある。
アムネスティは、犯罪の性質や状況、有罪・無罪、個人の特質、執行手段などにかかわりなく、すべての死刑に例外なく反対する 死刑は生きる権利の侵害であり、最も残虐で非人道的かつ品位を傷つける刑罰である。2018年7月18日現在、106カ国がすべての犯罪に対して死刑を廃止し、合計142カ国が法律上あるいは事実上、死刑を廃止している。
※死刑執行抗議声明における「敬称」について
アムネスティ日本は、敬称を原則として「さん」に統一しています。また、人権擁護団体として、人間はす べて平等であるという原則に基づいて活動しており、死刑確定者とその他の人々を差別しない、差別してはならない、という立場に立っています。そのため、死刑確定者や執行された人の敬称も原則として「さん」を使用しています。
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- 213/2016
7月26日、オウム真理教幹部の残る6人に死刑が執行された。幹部13人のうち7人が執行されたのは、今月初旬だった。1年間で10人以上が執行されるのは、2008年以来だ。同じ月に2回の執行も、極めて異例だ。
執行されたのは、宮前(岡崎)一明さん、横山真人さん、端本悟さん、小池(林)泰男さん、豊田亨さん、広瀬健一さん、の6人だ。うち4人が再審請求中だった。
日本政府は、再審請求中にもかかわらず、その死刑確定者をまたも刑場に送り込んでしまった。これは、国際法基準に著しく反する。
日本には、死刑確定者がまだ100人以上残る。彼らは、ほぼ誰とも接触がない孤独な日々を送る。いつもと違う足音がしたりすると恐怖におののくという。執行は、直前まで本人にも知らされないからだ。
国際人権機関は、常々、日本の死刑に関わる状況を厳しく批判してきた。徹底した秘密主義や長期間にわたる単独房生活などの問題だ。
今回の死刑執行で、日本政府は死刑を存置する姿勢を改めて示した形だ。しかし、死刑は、極めて重大な人権侵害であり、アムネスティは犯罪の性格や犯罪者の特質、執行方法にかかわらず、いかなる死刑にも反対する。アムネスティは、引き続き、死刑の廃止に取り組んでいく。
このUAは、これで終了といたします。要請文を送っていただいたすべての方々に感謝いたします。
※「敬称」について アムネスティ日本は、現在、ニュースリリースや公式声明などで使用する敬称を、原則として「さん」に統一しています。また、人権擁護団体として、人間はすべて平等であるという原則に基づいて活動しており、死刑確定者とその他の人々を差別しない、差別してはならない、という立場に立っています。そのため、死刑確定者や執行された人の敬称も原則として「さん」を使用しています。