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ヨーロッパ・中央アジア地域:ベルリンの壁崩壊20周年、政府は人権のために行動を

2009年11月 6日
国・地域:ヨーロッパ・中央アジア地域
トピック:難民と移民
「ベルリンの壁崩壊から20年を迎えた今、ヨーロッパ各国政府は移民、難民、被拘禁者やマイノリティに対する人権侵害に早急に対処する必要がある」と、アムネスティ・インターナショナルは述べた。

「ベルリンの壁の崩壊は国境開放の象徴であったが、その一方で移民という課題に対するヨーロッパの典型的な反応により、移住しようとする者にとってヨーロッパ大陸は要塞と化してしまった」と、アムネスティ・インターナショナルのヨーロッパ・中央アジア部長ニコラ・ダックワースは述べた。

「世界の他の地域における貧困や暴力、迫害から逃れてきた人びとは、文字通り海へと押し戻された」

2009年5月には、地中海で3隻の船に乗っていた数百人の移民および庇護希望者の生命と安全が危険にさらされた。初めに海上救難信号への応答義務をめぐるイタリアとマルタの当局同士の口論があり、続いてイタリア政府は彼らをリビアに送り返すことを決定した。移民や難民を保護する必要性が審査されることはなかった。

ヨーロッパ各国政府は、米国先導の「テロとの戦い」の下に行われた拷問、虐待や不当な拘禁の申し立てに対する調査に、より一層の努力をしなければならない」と、アムネスティは述べた。

「ベルリンの壁崩壊後のこの新しい時代に、ヨーロッパでは再び人権が攻撃されている。今度は、『テロ』の脅威に立ち向かうためには、拷問を受けない権利などの最も基本的な人権でさえ放棄する必要がある、と主張する政府の犠牲者となっているのだ」と、ニコラ・ダックワースは述べた。

9.11同時多発攻撃の後、ヨーロッパは米中央情報局(CIA)が運営する秘密拘禁施設に場を提供していた。こういった施設には、強制失踪、拷問に等しい状態での拘束や虐待的な尋問テクニックの犠牲となった者たちが拘禁されていた。

2009年8月に新事実が発覚したことで、ポーランドおよびリトアニア当局に対し調査を求める機運が高まっている。2005年後半まで、CIAが両国の領土内にある拘禁施設で秘密裏に「価値の高い」者たちを拘束し、尋問していたという疑いが持たれているのだ。

しかしながら、ヨーロッパにおける今日の人権に関する課題は新しいものばかりというわけではない。

「恥ずべきことであるが、ベルリンの壁崩壊以降20年間の経済成長やさらに進んだ政治的統合の成果は、すべての人びとに平等に分かち合われているわけではない。人種的偏見や差別という深刻かつ根深い問題は、現代ヨーロッパの重要課題としていまだ残っているのである」と、ニコラ・ダックワースは述べた。

ヨーロッパにおける最も深刻な組織的差別の例の一つに、ロマに対する差別がある。彼らはあらゆる国ぐにで市民生活の大部分から排除されたままである。

東ヨーロッパのロマの人びとは、国営企業が民営化された際に一番に解雇対象になることが多く、違法な強制立ち退きにより、ロマの人びとはさらなる貧困の深みへと追いやられている。

スロバキアやチェコ共和国などの一部の国では、今もなお不釣合いなほど多くのロマの子どもたちが知的障がいを持つ生徒のための学校に在籍していたり、基準を満たした教育が行われないロマだけの学校や学級に追いやられたりしている。

各国政府は、教育における人種隔離をなくすために明確かつ効果的な措置を取ることを怠っている。

そして、ベルリンの壁崩壊から20年経った今も、アムネスティは、アゼルバイジャン、ベラルーシ、モルドバ、ロシア、ウズベキスタンやトルクメニスタンにおいて、自らの基本的な表現、結社および宗教の自由を追求したことで逮捕されているジャーナリストや人権活動家たちを良心の囚人であると認識している。

「現在のベルリンには、20年前に分断と抑圧の象徴であった実際の壁はほとんど残っていないが、あらゆる面において人権を享受するという点において不平等を作り出している壁がいまだ存在している」と ニコラ・ダックワースは述べた。

「しかしながら、ベルリンの壁を崩壊に至らせたエネルギーに勇気づけられたヨーロッパ各地の人権活動家たちは、脅迫や威嚇を受け、拘禁されながらも、すべての人に対してあらゆる人権が守られるという理想の地域像をめざして努力を続けている」

アムネスティ発表国際ニュース
2009年11月6日

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