ブルンジ:人権活動家に銃口 報復の連鎖

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2015年8月12日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ブルンジ
トピック:

人権活動家で人権団体の代表を務めるピエール・クラベール・ムボニンパさんが8月3日、街中で襲撃された。前日には、政府側の要人、ンシミリマナ将軍が暗殺された。

ブルンジで増加する政治絡みの殺人事件が続いている。当局は事態の沈静化を図るとともに、暗殺に関わった者を速やかに法で裁くべきである。ムボニンバさんは、幸いにして命に別条はなかった。

政府は、対話を呼びかけるとともに、加害者を拘束し法で裁くことで、速やかに暴力が許されない社会に戻さなければならない。

今年初め、3選出馬を決めたンクルンジザ大統領を批判する人たちへの弾圧が始まった。それ以来、多くの人権活動家やジャーナリストは、国外に脱出せざるを得なかった。

8月2日、フランス国際ラジオ放送の記者が、ンシミリマナ将軍殺害現場からレポートしていたところ、治安要員に拘束された。 数時間の取り調べの中で激しく殴打され、指の骨を折るなどの重傷を負った。その後釈放された。 

ブルンジ当局は、人権擁護活動家とジャーナリストが安全に活動できる環境の確保など、だれもが安心できるように治安対策を取る必要がある。 また当局は、ンシミリマナ将軍暗殺を初めとした襲撃事件に対して公正で独立した捜査を行い、加害者を起訴しなければならない。

また国際社会も同国の治安安定にむけて、尽力するべきだ。

背景

人権活動家のムボニンパさんは、国の安全を脅かし偽造文書を用いた罪で有罪となり、昨年5月から9月まで良心の囚人であった。 健康上の理由で釈放されたが、彼に対する罪は取り下げられてはいない。

アムネスティ・インターナショナルの調べで、国家情報局が、ヌシミリマナ将軍が長官を努めていた9年間に、数多くの政敵に対し裁判なしの嫌がらせ、脅迫、拷問、処刑などを行っていたことがわかっている。 国は、情報機関が行っていた暴力の加害者を特定し、起訴したうえで、犠牲者に賠償するべきだ。

この4月、アムネスティは7月の大統領選挙を前にして脅迫や嫌がらせを受けている人権活動家を支援するキャンペーンを開始した。アムネスティは7月、警察が大統領3選反対派を抑え込むために殺傷力のある武器を使用していた事実を確認し報告書にまとめた。

アムネスティ国際ニュース
2015年8月4日

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