気候変動と人権

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気候変動と人権

気候変動は今、地球にさまざまな影響を及ぼしています。

地球温暖化の原因である、世界の温室効果ガス排出量は記録的な水準に達し、しかも年々上昇しています。現在、18世紀の産業革命以前と比べて地球の平均気温は1℃上昇しています。

地球温暖化により、世界各地で豪雨や巨大な台風・ハリケーン、猛暑や干ばつなどの異常気象が相次ぎ、それに伴う災害は年々激しさを増しています。氷河が溶けて海水面が上昇し、海抜の低い国や島国はたびたび高潮による被害を受けています。また海水温の上昇により、海洋の生態系にも大きな影響を及ぼしています。干ばつや豪雨は農牧業に大きな打撃を与え、安定した食糧生産が困難になっていきます。

このような気候変動は地球に大きな影響を及ぼしていますが、当然、そこに住む人間の生活にも大きな影響を与えています。特に、貧困や差別など、弱い立場に置かれた人びとほど大きな影響を受けています。

例えば、2013年にフィリピンを直撃した巨大台風ヨランダでは、6,000名以上の人が亡くなり、1,600万人が被災しました。被災前から貧困などの状況にあった人びとは、被災して家族や住居、生計手段を失ってしまい、さらなる困難に直面しています。

このように気候変動は、生命や健康、住居や水・衛生に対する権利といった基本的な人権にも大きな影響を及ぼしているのです。

台風ヨランダで壊滅的な被害を受けたフィリピンの町
台風ヨランダで壊滅的な被害を受けたフィリピンの町 © DFID (CC)

アムネスティと気候変動

アムネスティは、このように地球温暖化が人権に大きな影響を及ぼしていることから、気候変動に対する取り組んでいます。アムネスティは、この問題に取り組む団体や活動家と連携し、各国政府および企業に対し、人権を守り、尊重しながら気候変動を抑制する対策をとるよう求めています。

<アムネスティが求めること>

  • 各国政府が、早急に気候変動に対する何らかのアクションを起こすこと
  • 温室効果ガスを排出する原因の大半は化石燃料であることから、企業が化石燃料から脱却して人権に配慮したクリーンエネルギーへシフトすること
  • これらの過程は、人権が守られ、誰も取り残されない公正な変化でなければなりません。

    ウクライナのキエフで行われた気候マーチ
    ウクライナのキエフで行われた気候マーチ© Amnesty International Ukraine / Sasha Kovalenko

    気候変動に対する世界の動き

    2018年10月に気候変動に関する政府間パネル(IPCC)において国連が発表した特別報告によると、今後、人類にとって最悪の結果を避けるためには、地球の温度上昇を工業化以前の水準から絶対に1.5℃以内に抑えなくてはいけない、と明記されています。

    2019年、グテーレス国連事務総長は政府、民間セクター、市民社会、国際機関などのリーダーに対し、今後10年間で温室効果ガス排出量を45%削減し、2050年までに実質ゼロ排出を達成するための具体的、現実的計画を持って、2019年9月23日にニューヨークで開かれた国連気候行動サミットに参集するよう呼びかけました。

    気候サミットでは、65カ国およびカリフォルニアなど自治体レベルの主要な経済圏が、2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにすることを約束し、70カ国が2020年までに国別目標を引き上げることを発表しました。

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