- 2005年11月29日
- 国・地域:オランダ
- トピック:難民と移民
収容センター(受刑者と非正規移民の受け入れ施設)では以前にも2回火事があった。センター開設直後の2003年と2度目は2004年である。
職員への十分な研修の提供といった火災予防当局から事前の勧告が実施されていなかった可能性があることにアムネスティは懸念する。これが収容者からの助けを求める叫びに職員の対応の遅れを招いた可能性があるとの報告がある。収容房に閉じ込められた人びとを救い出す努力は、中央で各扉を開けることができず、看守が各扉を開けなければならなかったため難航した。その上、センター内の防火扉が不足していた疑いがあり、これが火事をより速く広がらせた。
火事の生存者は移送されたが、いまだに収容施設内に収容されているとの報告に懸念を表する。生き残った非正規移民の生存者の収容を停止し、代わりに宿泊施設を提供するようオランダ当局に要求する。生存者に火災経験のカウンセリングを提供するようオランダ当局に働きかける。
火事の後、生存者たちの弁護士が彼らの所在に関して十分な情報を与えられず、アクセスが不十分であったとの報告に憂慮する。生存者と弁護団が互いに十分に連絡を取り合う機会を確実にするため最大限に配慮するようオランダ当局に働きかける。
刑事事件で有罪判決を受けた人びとと同じスキポール空港内収容施設に、難民申請を却下された庇護希望者が収容されているとの報告に懸念する。さらに男性と女性が別々ではなく同じ施設で収容されたという事実に懸念を表する。
オランダ法務大臣、ハーレマミーア市(センターがある場所)市長、「治安に関する独立調査会(Onderzoeksraad voor Veiligheid)」による、火事の原因について独立し完全な調査が行われるとの発表を歓迎する。
火事の原因・適切な防火設備(またはその欠陥)・火災時に施設内にいた職員の誘導や研修等、センターに収容されていた死亡者と負傷者に関して独立し完全な調査を実行するようアムネスティは調査者に訴える。また火事前後の収容状況を含む調査を法務大臣に要求する。
背景情報
火 事
真夜中過ぎに出火し、午前3時まで猛威をふるった。出火当時、建物全体でおよそ350人の受刑者が収容されていた。罹災した棟の12の収容房には約43人が収容されていたという。収容者の大部分がカリブ海地域からの不正規移民と麻薬密輸業者だった。
拘 禁
明らかに刑事犯罪の容疑を受けたり、法律による根拠があり、庇護希望者の収容が正当な理由により国際基準に認められた特定の理由のひとつにもとづき当局が個々のケースについて収容が必要であると証明できない限り、庇護希望者の拘禁にアムネスティは反対し、不正であると考える。
アムネスティ発表国際ニュース
(2005年11月8日)
AI Index:EUR 35/001/2005
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