- 2010年8月13日
- 国・地域:オランダ
- トピック:企業の社会的責任
7月23日の判決は、トラフィグラ社による有害廃棄物のコートジボワールへの輸出の関与について、初めて企業に刑事責任があるとしている。
「今回の判決は、トラフィグラ社がこれまですべての違法行為を否認してきたことに対し、厳しい判断を下したものとみられる。コートジボワールに投棄された廃棄物は、何万もの人びとの生活に甚大な影響を与えている」。コートジボワールを訪問し、廃棄物投棄の被害者と面会したアムネスティ特別顧問ベネデッタ・レイシーはそのように述べた。
「この判決は大きな前進だが、被害者にとってはこれで話は終わりというわけではない。廃棄物が人々の健康に与えてきた影響について、解明されていない部分がいくつもある。また、廃棄物が投棄された地域は、いまだに汚染物質が十分に除去されていない」。
この判決はまた、廃棄物が国境を通過することを食い止めることで、悲劇を防ぐこともできたはずのオランダ当局の不手際について、重要な問題を提起したともみられる。この問題はいまだに解決されておらず、アムネスティは最終判決の全文を調査中である。
2006年7月、トラフィグラ社は、アムステルダムで廃棄物を処分するために船から降ろした。しかしその後、経費の理由により再び船に積み込み、コートジボワールまで輸送した。
2006年8月、廃棄物はコートジボワールのアビジャン市近郊のさまざまな場所に投棄された。投棄の後、10万人以上の人びとが多様な健康障害を訴え、病院で診察を受けた。15人の死亡も報告されている。
オランダの検察当局は、オランダ国内での事件として本件に取り組んでいる。コートジボワールでの投棄の被害を考慮していないのは、国境を越えた活動について企業を起訴する難しさが理由であると思われる。
「国際社会がこの事件の教訓を学ぶことが急務となる。多国籍企業に対し、国内でも国外でも人権を尊重することを保証させるため、各国はもっと多くのことをなさねばならない」。ベネデッタ・レイシーはそのように語った。
アムネスティ発表国際ニュース
2010年7月23日
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