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イラン:懸念される死刑適用の傾向

2006年3月 6日
国・地域:イラン
トピック:死刑廃止
アムネスティは本日、イランの死刑の執行率に重大な懸念を示し、数多くの政治囚の生命を案じていると述べた。政治囚の中にはもう何年も死刑囚監房にいる人びともいる。

またアムネスティは、イランが国際的な人権上の義務に違反して、いまだに未成年時犯罪者に死刑判決を言い渡していることに怒りを覚えている。

イランの死刑執行は驚くべき割合で続いている。アムネスティは、2005年にイランで94件の死刑が執行されたと記録しているが、実際の数字ははるかに多いと思われる。2006年に入ってから現在までに、すでに28件もの執行があった。殺人罪などの犯罪による処刑がほとんどだが、先日は政治囚のホッジャト・ザマニ氏が処刑された。彼はモジャヘディーネ・ハルグ(PMOI)のメンバーで、2003年にトルコからイランに強制送還され、3人が死亡した1998年のテヘランでの爆破事件に関与したとして有罪となり、翌2004年に死刑判決を受けた(アムネスティ緊急行動、AIインデックスEUR44/025/2003(2003年11月5日付)およびMDE13/032/2004を参照)。ザマニ氏は今年2月7日、ゴハル・ダシュト刑務所の監房から連行されて処刑されたが、イラン当局がこの処刑を公式に認めたのは2月21日のことであった。

ホッジャト・ザマニ氏が処刑されたことで、他の政治囚も切迫した処刑の危機にあるかもしれないというおそれが出てきた。2月初め頃から出回っている未確認情報によれば、イランの核開発再開問題(イランは原子力を平和目的でのみ製造していると主張している)が国連安保理に付託されれば、死刑判決を受けた政治囚やその他の死刑囚が多数処刑されるであろうと、刑務所職員が死刑囚たちに言ったという。非合法組織PMOIのメンバーも処刑の対象になるといわれている。2002年にイランの核開発を暴露した証言の出所となったのはイラン抵抗全国会議であったが、PMOIはこの会議のメンバーである。

他にも処刑の危機にあると懸念されるのは、以下の人びとである。2004年末以降エビン刑務所の第209区に独居拘禁されているPMOIメンバーのサイド・マスーリ氏(アムネスティ緊急行動、AIインデックスMDE13/018/2002参照)、2001年のハイジャック事件に関与したとされるハレド・ハルダニ氏、ファルハング・プル・マンスーリ氏、当時わずか17歳だったシャフラム・プル・マンスーリ氏の3人(アムネスティ緊急行動、AIインデックスMDE13/003/2005参照)。PMOIメンバーのゴラムホセイン・カルビ氏とバリオラ・フェイズ・マフダビ氏。そしてアリレザ・カラミ・ハイラバディ氏である。

またアムネスティは、少なくとも2人のイラン系アラブ人が執行の危機にあるという報告を受けとっている。2005年4月15日以降、フーゼスタン州は大規模な政治的不安定の中心となっている(フーゼスタン州における政情不安についての詳細な情報は『イラン:新政府は劣悪な人権状況に対処せず』AIインデックスMDE13/010/2006を参照)。これに関連して、モハマド・アリ・サワリ氏とメフディ・ナワセリ氏が死刑判決を受けたという報告があった。2人とも20代前半ということである。モハマド・アリ・サワリ氏は2005年11月4日の同州アフワズでのデモの後逮捕されたといわれている。メフディ・ナワセリ氏は、2005年4月に拘禁された後釈放され、2005年10月に再び逮捕されたと伝えられている。

2006年2月14日、司法当局の報道官でもあるジャマル・カリミラド法相がイラン国営通信IRNAに語ったところによれば、2005年9月と10月の爆破事件に関係したとして逮捕された45人のうち7人が有罪判決を受けたという。罪状には「神に対する敵意、地上における堕落、殺人」が含まれていた。処罰については近日発表されるという。神に対する敵意と地上における堕落に適用される刑罰は、死刑、クロス切断(右手と左足の切断)、3日間の磔刑、追放などがあり得る。2006年2月20日、ゴルバン・アリ・ドリ・ナジャファバディ検事総長が、「先日のアフワズの事件に居合わせたことが証明された2人の主犯を含めた数人について死刑の評決が出た。この評決は確定である。」と述べたと伝えられた。2月21日、カリミラド法相はこの件についてのIRNAへの声明の中で、死刑判決を受けたのは2人だけで、この判決は最高裁で再審理されていると述べた。また、「7人が有罪とされた犯罪はどれも死刑が適用されるものではない」と語った。アムネスティは、主犯の2人というのはモハマド・アリ・サワリ氏とメフディ・ナワセリ氏で、切迫した処刑の危機にあるのでははないかと憂慮している。

アムネスティはまた、イランがいまだに未成年時犯罪者に死刑を言い渡していることに怒りを覚える。ファルズおよびイラン学生通信協会(ISCA)の2つの報道機関の報道によれば、モハマド君という18歳の少年がテヘラン刑事法廷第71支部において、彼がわずか16歳であった2003年8月に起こした殺人事件で死刑判決を受けたという。報道によれば、彼は当初、未成年法廷で裁判を受け、5年の拘禁刑と血の代金の判決を受けた。しかし被害者の遺族が刑罰の重さが不十分であると申し立てたため、最高裁は、モハマド君がすでに18歳に達したことから刑事法廷で裁判を受けることができると判断し、その結果死刑判決を受けることになった。死刑判決は、執行される前に最高裁判所で承認されねばならない。

イランは国連自由権規約と子どもの権利条約の締約国であり、18歳未満の時の犯罪で死刑を執行してはならない。にもかかわらず、アムネスティは1990年以降イランで18件の未成年時犯罪者の死刑執行を記録している。2005年だけでも、少なくとも8件を記録した。

アムネスティは、刑事犯罪の容疑者を裁判にかける権利と責任が政府にあることを認めるが、生きる権利の究極的侵害であることから死刑の適用には無条件に反対している。したがってアムネスティは、イラン当局に対し、死刑適用の即時停止と、未成年時犯罪者を処刑しないという国際的な義務を遵守することを求める。

アムネスティ発表国際ニュース
(2006年2月26日)
AI Index:MDE 13/020/2006

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