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日本:入管法改定案に異議あり!4.5院内集会アピール

2006年4月 5日
国・地域:日本
トピック:「テロとの闘い」における人権侵害
3月30日、16歳未満と特別永住者をのぞくすべての外国人の指紋・顔写真などバイオメトリクス(生体情報)の提供を義務づける入管法改定案が、衆議院を通過した。4月5日、多くの問題を持つ改定案に反対する院内集会が、衆議院議員会館で行われた。

入管法改定案に異議あり!4.5院内集会アピール

日本版US-VISITや「テロリスト」の退去強制を定めようとする入管法改定案が、さる3月30日に衆議院を通過した。3月7日の閣議決定、15日の趣旨説明からたった2週間ほどでの衆議院通過というスピード審議である。


衆議院法務委員会の審議では、指紋情報という生体情報に関する取得・保管・利用・廃棄について明確な法律による規制のないままでよいのか、指紋・写真以外に提供させる個人識別情報の種類をすべて省令に委任してしまってよいのか、生体認証技術は本当に信頼性を有しているのか、「テロリスト」の定義や認定方法は明確と言えるのか、外国政府との情報交換にきちんと制約が及ぶのか、等々多くの疑問が残された。また、政府関係者の答弁や認識に食い違いが見られ、十分な事前の準備がなされていない実態も明らかとなった。
 
 私たちは、今回の入管法改定案に対して、反対の意思を表明するとともに、様々な社会的アピールも行ってきた。私たちには、入管法改定案に反対する多くの理由がある。

 入国時における外国人の生体情報の提供を義務づけることは、「テロリストは外国人である」という先入観に基づくもので、外国人に対する差別である。今回の改定案が成立すれば、US-VISIT方式の「テロ対策」としての有効性も確認されないまま、特別永住者を除くすべての外国人から指紋・写真その他の生体情報を取るという広汎かつ過度な手段が取られることになる。とりわけ、指紋採取は、歴史的に外国人管理の象徴と言えるものであり、外国人を犯罪者と同視するかのごとき屈辱感を与えてきた。

 また、取得した生体情報を、「テロ対策」ばかりでなく一般の犯罪捜査にも利用することが国会審議の中で明らかとなってきた。これは、生体情報というセンシティブ情報に関する明らかな目的外使用であり、行政機関の間であっても許されない。

 さらに、取得した個人識別情報が、長ければ80年にも及んで保有されることが想定されており、億単位の情報量となる。生体情報という究極の個人情報が、かかる長期間にわたって多量に保有されることの危険性は言うまでもない。個人情報の流出事件は跡を絶たず、最近もデータの管理責任者自身による情報漏洩ケースが出ている。

 他方、「テロリスト」の定義も曖昧で、「公衆等脅迫目的の犯罪行為」を実行した者だけでなく、その「予備行為」または「実行を容易にする行為」を「行うおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者」まで含まれる。これでは、全く不明確であり、入管当局による恣意的な運用が拡大するおそれもある。従って、法務大臣から独立した第三者機関の設置や司法手続の保障が必要不可欠である。

 このほか、自動化ゲートは利便性向上を謳っているが、その指紋情報等については、外国人・日本人を問わず、犯罪捜査に利用すると公言されている。目的外使用の最たるものであり、監視社会化を推し進めるものとして、許されることではない。

 以上のように多くの問題点を克服できないまま、衆議院の審議は終了した。続く参議院では、理性の府にふさわしい慎重な審議が期待されている。

 「テロ対策」と言えども、人権の尊重という国家の義務から自由ではない。この点は、「テロ対策」に関わる国連の議論や国際会議においても繰り返し強調されてきたところである。また、このような外国人の管理が、「テロ対策」の名の下に、特定の人種・宗教・民族集団に恣意的に不利益をもたらす危険性、すなわち人種的プロファイリングという人種差別の一形態となるおそれは否定しがたい。

 このように今回の入管法改定案は、拙速な議論ではすまされない大きな問題をはらんでおり、広く日本人・外国人を含む社会的な議論を踏まえて判断されるべきである。従って、この改定案を、今国会で成立させることは許されない。

 このため、本集会に集った私たちは、入管法改定案に反対し、その成立を阻止するために、あらゆる力を結集することをここに表明する。

2006年4月5日
「入管法改定案に異議あり!4.5院内集会」にて

<主催団体>
社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
移住労働者と連帯する全国ネットワーク

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