- 2026年5月27日
- [公開書簡]
- 国・地域:日本
- トピック:死刑廃止
法務大臣 平口 洋 殿
5月15日、再審制度見直しのための刑事訴訟法改定案が閣議決定されました。高市内閣はこの改正案の今国会での成立を目指しています。しかし、この内容は、再審制度見直しを訴えてきた市民社会が求める、えん罪被害者救済という本来の目的に対して極めて不十分なものです。
刑事司法におけるえん罪は、国家による最大の人権侵害の一つです。再審制度が真に被害者の救済に寄与するものとなるよう、アムネスティ・インターナショナル日本は、政府および法務大臣に対し、以下を強く要請します。
- 警察や検察庁といった捜査機関の手元にある証拠の全面開示を、国際人権法(自由権規約第14条3項)に則って法制化すること
- 裁判所による再審開始決定に際した検察官の抗告を全面的に禁止すること
1980年に死刑が確定したのち、無実を訴えて闘い続けてきた袴田巖さんは、やり直し裁判(再審)によって、2024年10月に無罪が確定しました。逮捕されてから無罪になるまで58年、そのうち44年間は死刑執行におびえる毎日でした。袴田さんはいまだに後遺症を患っており、死刑えん罪の傷跡が深く残っています。
捜査機関は根拠のない見込み捜査を行い、証拠をねつ造し、無罪につながる証拠を隠し続けたうえ、再審開始決定に対しては上訴に及びました。その責任は極めて重大です。
国の制度がえん罪被害者の苦しみを生み出していることを法務大臣は真摯に理解し、被害者救済という再審制度の原点に沿った法改正を要請します。
2026年5月27日
アムネスティ・インターナショナル日本
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