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イラン:少数民族に対する人権侵害の悪化

2007年2月26日
国・地域:イラン
トピック:先住民族/少数民族
アムネスティ・インターナショナルは、イランのアゼルバイジャン人、クルド人、バローチ人やアラブ人などの、少数民族への継続的な人権侵害を非常に懸念している。この2週間で、イランのアゼルバイジャン人の言語・文化権利活動家数百人が、母語による教育を認めるよう要求して逮捕され;クルド人権利活動家が拘禁され、デモ参加者が負傷、殺害され;2007年2月14日の爆破事件の容疑をかけられたバローチ人は拘束からわずか5日後に処刑された。

イランの少数民族に対する制約が厳しくなったことを受け、イラン憲法および国際法に定められた言語と文化の権利を法律上及び運用上すべてのイラン国民に保障し、それらの権利のために平和的なデモ行動ができるよう、アムネスティはイラン政府に対し求めた。イラン政府は、警察とその他の法執行機関が過度の武力行使を行わないこと、全ての収容者が拷問及び虐待から保護されること、拷問やその他虐待、過度の武力行使や治安部隊による殺害に関する全ての報告について、迅速かつ完全な独立した調査を行い、結果を公表することを保証すべきである。虐待に関与した疑いのある者は、国際基準に沿った迅速かつ公平な裁きを受けさせ、また、死刑が適用されないようにしなくてはならない。

イランのアゼルバイジャン人
イランのアゼルバイジャン人が、2月21日に国連教育科学文化機関(UNESCO)が開始した国際母語デーに行われた平和的デモの準備中および最中に逮捕された。

デモは、イランのアゼルバイジャン人の多くが住むイラン北西部の学校での指導と教育現場での母語使用を訴えることを目的に行われた。デモを組織した人は、事前に公的な承認を求めたというが、その可否は不明である。デモ以前に拘束された人がほとんどで、デモはタブリズ、オルミヤなどの北西部の都市で行なわれ、2月26日までには釈放されたが、10人から20人がいまだに拘束されているようだ。

2007年2月11日前後にコムで拘束された少なくとも12人の中のエブラヒム・カゼミ、ジャファール・アベディニとメフディ・モライだった。このうちの2人は「Turk dilinde medrese (アゼルバイジャン語による学校教育)」というスローガンを壁に書いたとして逮捕されたという。数日間拘束され、保釈金により釈放されたと伝えられている。ジャファール・アベディニとメフディ・モライは拘束中虐待され、諜報省職員に吐き気を催す飲料を無理やり飲まされたという。

オルミエでは、ジャーナリストでアゼルバイジャン人の文化的権利についての活動家イスマル・ジャバディを含む60人のイランに住むアゼルバイジャン人が拘束された。彼は2007年2月18日に逮捕され、オルミエ市のドックズ・ピレー地区にある諜報省の収容施設に拘禁され続けているようだ。

ゼンジャンでは、サブゼ広場で平和的デモを行っていた少なくとも15人が逮捕された。この中にはジャーナリストで地域では著名な人権活動家のサイード・メティンプールも含まれている。彼は連行された際、唇から出血しており、警察から暴行を受けたのではないかという懸念がある。

2007年2月19日、アルダビルで拘束されたラミン・サデギは、国際母語デーのイベントに関連して、この都市で拘禁されたおよそ20名のうちの一人である。現時点では、彼のみが拘束中であり、家族が彼の健康状態について憂慮していることが報告されている。

クルド人
2007年2月20日に、クルド人の学生たちがテヘラン大学文学部でイベントを開催した。この学生たちは、イランの教育制度とクルディスタン州の州都にあるサナンダジ大学でのクルド語教育の実施を要求した。学生たちは、「世界人権宣言及びその他の人道的諸原則に基づき、今日における世界の多文化的状況の中で、全ての国家はその言語を発展向上させる権利を持つべき」と主張する声明書に署名したという。

ここ数カ月の間に、クルド人ジャーナリストと人権擁護活動家数人が拘禁され、その一部は裁判にかけられている。さらに、2007年2月16日には、女性1人を含む3人のクルド人が、マハバドでのデモの最中に殺害されたという。未確認情報によると、デモ参加者たちと治安部隊間で衝突が起き、18歳のバハマン・モラディ、姓は不明だがマリヘという女性ともう1人が死亡した。数十人がデモの最中に負傷したという。

イラン治安部隊は、クルド人デモに対し暴力的に鎮圧した過去がある。例えば、2006年2月にマクなど数カ所で、デモ参加者と治安部隊との間の同様の衝突で、少なくとも9人が死亡し、おそらく何百人も逮捕した。2006年3月、クルド人の国会議員は、イランのマフムード・アフマディネジャード大統領に対し、これらの殺害についての調査の要求と事件の責任者を裁くことを要請する書面を送付した。調査が開始されたというが、結果については不明である。拘禁者の一部はその後、3カ月から8カ月の懲役刑を受けた。

バローチ人
シスタン・バルチスタン州で、2007年2月19日に死刑執行されたイランのバローチ人男性ナスロッラー・シャンベゼヒの極端な即決裁判と死刑執行とを取り巻く状況は、少数者も差別を受けることなく享受する、司法手続の基準に疑問を投げかけている。2月14日の革命防衛隊の治安部隊を輸送中のバス爆破事件で、現在までに合計14人が死亡し、およそ30人前後が負傷した。この事件で逮捕されたという5人のうちナスロッラー・シャンベゼヒは、イラン国営テレビでイランのバローチ人武装反体制派組織ジョンダッラー(Jondallah)を代表して犯行を「自白」し、爆破事件の現場で公開処刑された。

ジョンダッラーはイラン政府職員に対し数度に渡る武力攻撃を行い、時には人質を殺害している。バローチ人の権利擁護を求めているといわれているが、当局者は麻薬密輸に関与し、テロリスト集団や外国政府とも関係があると主張している。2006年3月、ジョンダッラーはシスタン・バルチスタン州で、政府職員22人を殺害、少なくとも7人の人質を取った。この事件後、何百人もの人びとが逮捕された。その多くが、不明の場所へ連行されたという。この襲撃後、数カ月内にバローチ人地域での死刑執行が激増した。年末までに、何十人も死刑執行されたという。

アムネスティは人質の殺害を全面的に非難し、ジョンダッラーに対し、このような行為を即時にやめるよう要請する。しかし、アムネスティはナスロッラー・シャンベゼヒの「自白」が強要された可能性があることを懸念している。また、早急な死刑執行は、彼が公正な裁判を受けず、裁判所が下したであろう死刑判決に上訴する十分な機会が認められていなかったことを示唆している

アラブ人
2007年1月と2月、2005年のフーゼスタン州での爆破事件の不公正な裁判により有罪とされたアラブ系イラン人8人が死刑執行されたことにアムネスティは遺憾の意を表する。その他のアラブ系イラン人の囚人も、不公正な裁判の後、死刑が執行される危険にさらされている。

AI Index: MDE 13/020/2007
2007年2月26日

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