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米国:すべての拷問の容疑は調査されるべき

2007年3月15日
国・地域:米国
トピック:「テロとの闘い」における人権侵害
米国防総省は、グアンタナモの戦闘員資格審査法廷(CSRT)でのハリド・シェイク・モハメドの審問記録を一部公開したが、このことは、「テロとの戦い」における米国の被収容者の取り扱いについて、改めて深刻な懸念を浮き彫りにさせた。

CSRTは、グアンタナモでの収容が始まってから2年以上経った2004年6月に作られた。法廷は3人の軍人の審判官によって構成されるが、審判官は、被収容者の収容の法的地位を決定するにあたり、秘密の証拠や拷問や虐待によって強制的に得られた証拠を採用することができる。自らの「不法な敵性戦闘員」の地位を反証するために弁護士をつけることもできず、証人や証拠を得る可能性も否定されている被収容者にとって、これは重い負担である。例えばハリド・シェイク・モハメドは、証人として2人のグアンタナモ被収容者の召喚を請求したが、却下された。CSRTの審判長は、被収容者の証言は「適切ではない」と判断を下したのである。被収容者の「不法な敵性戦闘員」という地位の確認によって、当該者が軍事法廷で裁かれる資格があるとされるが、この軍事法廷は死刑を言い渡すことができる。

ハリド・シェイク・モハメドは、数年にわたって中央情報局(CIA)によって収容されたのち、軍事法廷にかけるためにグアンタナモに移送された、「高い価値のある」被収容者14人のうちの一人である。米政権が2001年9月11日の攻撃を「計画した」と主張しているハリド・シェイク・モハメドは、2003年にパキスタンで逮捕された。ハリドは3年半にわたり、CIAの秘密収容所に隔離拘禁されていた。CIAの尋問方法は「トップ・シークレット」とされているが、その方法には「水責め」と呼ばれる、事実上の溺死状態に近づけるやり方があると言われている。

グアンタナモへの移送から6ヵ月以上が経過し、14人の被収容者は、米政権が彼らに対する刑事事件を立件したにも関わらず、いまだに弁護士をつけることができないでいる。軍事法廷は、強要された自白を採用することができる。政府はまた、どのような方法で入手したかを非公開にした証拠を提出するかもしれない。14人がCIAの秘密収容プログラムについての「機密情報を暴露する可能性がある」という理由で、14人に対するCSRTは非公開で行われている。同様のことが、軍事法廷でも起こると予想されている。軍審判官は、機密の諜報活動の公開を防ぐために、裁判を非公開にすることができるのである。

CSRTにおけるハリド・シェイク・モハメドの審問の編集済みの記録は、拷問があったことを示唆している。CSRTの審判長は「被収容者が受けた虐待や処遇の疑いに関する」供述書に触れている。その後、次のようなやりとりがあった。

審判長:・・・D-dは、2003年にあなたが拘束されてから2006年9月にグアンタナモに移送されるまでの期間に、米政府の機関によってあなたが受けたと主張している、ある処遇についての供述書であると思われます。

審判長:その通りですか?

被収容者:はい。

審判長:わかりました。・・・あなたの供述書は、2003年から2006年の間にあなたが受けた処遇の結果なのですか? あなたは、これらの供述書を、これらの人びとから受けた処遇のために作成したのですか?

被収容者:どの供述書のことですか?

審判長:尋問した人たちに対するもののことです。

被収容者:CIAの連中です。そうです。私を移送した最初から・・・(編集され削除)

審判長:私が知りたいのは、あなたの供述書がすべて、この処遇の結果のものか、ということです。あなたの言葉で言うと、拷問を受けたと。拷問の結果、供述をしたと?

この後もやりとりは続いた。

審判長:この(拷問の)結果、人びと(被収容者たち)が嘘の供述をしたというのですか?

被収容者:わたしもそうしました。

連邦裁判所を退官した6人の裁判官は、2006年11月に連邦裁判所に提出した声明の中で、すでにCSRTの審問が終わった数百人のグアンタナモ被収容者の公開記録について以下のように強調した。

「CSRTの審判団は、医療記録などの証拠が簡単に入手できるようなときでさえ、自白を強要されたと疑われる証拠の信頼性をほとんど審査しなかった。何人かのCSRTの審判官は、拷問の容疑は他の軍当局による調査を実施するに十分な信頼性があると判断しているが、にもかかわらず、審判団は、調査の結果を待たずに被収容者を敵性戦闘員だと判断した。多くのCSRTの判断は、尋問官に対する被収容者の供述書が拷問の結果によるものだという証言を無視した。時に、CSRTは拷問があったと認めたが、拷問に米軍は関与していないと主張し、「自白」が信頼できるものか、強制の産物かを確かめようとはしなかった」


アムネスティは、ハリド・シェイク・モハメドは、9.11事件を含む一連の重大犯罪に加担しているとされ、またそれを認めていると報道されている。アムネスティは、9.11事件を人道に対する罪だと考えている。同時に米政権は、ハリドとその他の被収容者に対して、拷問や強制的失踪といった国際犯罪を含む、重大な人権侵害を犯した疑いがある。

アムネスティは、ハリド・シェイク・モハメドが明確な犯罪容疑で起訴され、軍事法廷ではなく、独立した公正な法廷で裁かれるか、さもなければ釈放するよう要請する。拷問や虐待によって得られたいかなる情報も、そのような拷問や虐待をおこなったとされる人々の責任を問う場合を除いて、裁判で採用されてはならない。アムネスティは、米政権に対し、ハリド・シェイク・モハメドまたはその他の被収容者に対して死刑を執行しないよう訴える。

CSRTの審判長は、ハリド・シェイク・モハメドの訴えを「適切な調査のために報告する」とした。アムネスティは、「テロとの戦い」における米当局者による拷問の調査が、過去において不十分であったことを改めて強調し、ハリドが申し立てる拷問と強制的失踪について、迅速で公正な調査を行うよう求める。調査結果は公開され、そのような行為に責任を持つ者はすべて、裁かれなければならない。

ハリド・シェイク・モハメドとすべての被収容者には弁護士への接見を認め、収容の合法性を問うことができる独立した公正な裁判を保障すべきである。


アムネスティ発表国際ニュース
2007年3月15日
AI Index: AMR 51/045/2007

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