スリランカ:国際的な人権活動の受け入れが不可欠

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2007年6月14日
国・地域:スリランカ
トピック:地域紛争
(ジュネーブ発)本日、アムネスティ・インターナショナル事務総長アイリーン・カーンはマヒンダ・ラジャパクサ大統領との会談後に、大統領はスリランカの人権危機に終止符を打つために国家元首として指導力を発揮しなければならない、と語った。

カーン事務総長はラジャパクサ大統領に対して、大統領の権限を行使することによりスリランカに国連派遣団を招いて強力な人権活動の実施に着手し、全土で紛争当事者双方が引き起こしている深刻な人権侵害を調査し検証するよう要請した。

過去1年間に1000人以上が「失踪」させられ、また1000人以上が不法に殺害されたと見られる。民間人は、無差別な砲撃、タミル・イーラム解放の虎(LTTE)の自爆テロや報復殺人などによって殺害されている。3月と4月だけでもバッティカロア地区の国内避難民の数は2倍となり、8万人が住居を捨てて逃れた。LTTEは民間人の殺害と誘拐に関わっており、またLTTEのカルナ分派は戦闘員として利用するために子どもの徴兵を続けている。

国際NGOのボランティアがトリンコマリーで射殺されたという報告を受けて、カーン事務総長は次のように語った。「恐怖がスリランカを支配しており、人権活動家やジャーナリストが脅迫され、襲撃され、嫌がらせを受け、そして殺害されている。人道支援活動家ですら例外ではない。」

6月7日にタミル人がコロンボから差別的に強制退去させられたが、これは紛争下でスリランカの民間人が十分に保護されていないことを示している。民間人は、子ども兵士の徴兵を始めとするLTTEによる人権侵害と戦闘から逃れようともがいている。

「この18カ月における人権侵害の驚異的な増加は、民間人を保護し、公正な裁判を実施する国内の機能がまったく不完全であり、加害行為を阻止できていないことを示している」とカーン事務総長は語った。

「昨年大統領によって設置された調査委員会は、人権侵害の加害者に対する免責を抑制することができていない。大統領自身によって設置された国際独立賢人会議が、同委員会の信頼性と実効性について疑問を呈しているのが実情である。」

「状況が悪化しているなかで、紛争のすべての当事者による人権侵害を監視し調査するための独立した機関が不可欠である。」

「国連人権高等弁務官事務所とただちに協議を開始し、人権侵害を監視し調査する責務に基づく国際人権活動に着手するよう、アムネスティはラジャパクサ大統領に要請する。」

「有効で独立性を保ち、透明性があってかつ十分な資金を投入した国際人権活動は、説明責任および司法責任を持つ国内機関を強化することに役立つだろう。国際人権活動は、LTTE支配地域にも広げる必要がある」とカーン事務総長は語った。

「現在の政府の努力はまったく不十分である。ラジャパクサ大統領はその状況を変える好機にあると言ってよい。」

AI Index: ASA37/013/2007
2007年6月14日
 

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