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シエラレオネ:戦争犯罪の被害者にとって、有罪評決は終わりではない

2007年6月20日
国・地域:シエラレオネ
トピック:危機にある個人
アムネスティ・インターナショナルは、本日、シエラレオネ特別法廷が同国で恐れられていた軍事革命評議会(AFRC)の上級司令官3人に対して有罪の評決を出したことに対し、一歩前進であるとはしつつも、これをもって11年におよぶ武力紛争下で行われた残虐な犯罪に対する正義を求める闘いの最終章としてはならない、と述べた。

評決速報は未だ公表されていないが、それに基づいてアムネスティはコメントするものである。

AFRC上級司令官、アレックス・タンバ・ブリマ、ブリマ・バズィ・カマラ、サンティジ・ボーバー・カヌは、人道に対する罪および国際紛争とされない武力紛争下で行われた戦争犯罪について有罪となった。有罪と認定された犯罪行為には、国際法に反する殺害行為、虐殺、強姦、「テロ」行為、集団処罰、四肢切断などが含まれる。しかし、性奴隷制その他の非人道的行為ついては無罪となった。

「今回の評決は、シエラレオネの人々に向けて、被害者やその家族に対しておこなわれた残虐な犯罪について、誰かが責任を取ることになるという前向きなサインを送るものである。しかし、11年にわたるこの国の紛争期間中に恐るべき行為を実行した者は他にも多勢いる」とアムネスティのユーゴ・レルバ法律顧問は述べた。「刑事責任を問われる可能性があり、また問われなければならない者は何千人にものぼる。また、シエラレオネ全土に正義を行き渡らせるためにも、被害者には賠償がされなければならない」。

特筆すべきは、特別法廷の本日の決定が、史上初めて、15歳未満の子どもを軍や武装集団に徴用し、戦闘行為に積極的に加担させることを戦争犯罪であるとし、有罪にしたことである。

また今回の決定は、人道に対する罪と戦争犯罪に関して国内法に基づく恩赦を与えたとしても、その人物に対する国際法に基づいた捜査や起訴は阻害されないとする、すでに確立されている原則を再確認した。

「本日の評決は、長年にわたる暴力の結果に今も苦しんでいる人びと、特に子どものときに暴力行為に強制的に加担させられて深い心の傷を負った何千もの人びとや強姦の被害にあった女性や少女に対して、力強いメッセージを送るものである」。アムネスティのシエラレオネ調査員、タニア・ベルナスはそのように述べた。「重要なのは、こうした判決があることを被害者たちに知らせることだけではない。被害を受けた人びとがその法的権利である賠償を請求できるように、略式措置ないし法的援助が提供されることもまた重要なのである」。

「今回の有罪の認定は、シエラレオネ政府に対して、ロメ協定で規定された恩赦条項を無効にし、ジェノサイド(集団殺害)、人道に対する罪、戦争犯罪、拷問、強制的失踪など、国際法上のあらゆる罪を国内法上の犯罪とするべく、促しているものである。」とアムネスティのユーゴ・レルバ法律顧問はそのように述べた。

背景:
これまで、シエラレオネ特別法廷は、その限られた権限のなかで、1996年11月30日以降に実行された戦争犯罪、人道に対する罪、その他の国際人道法に対する重大な違反行為について、最も重い責任を負う者として、13人を起訴した。一方で、数千人がこうした犯罪に関与しながら、10年以上にわたって刑事免責を受けてきている。

起訴された被告人13人中9人が拘禁され、全員の裁判が始まった。残り3名は死亡し、ひとりはいまだに逃亡中である。

国際刑事裁判所の場合、同裁判所に起訴された事件の被害者に対するものとして、賠償の及ぶ範囲や、有罪判決となった被告人が十分な賠償能力を持たない場合にその差額を補填する信託基金などが規定されている。しかしシエラレオネ特別法廷の規程ではより限定的な方法が選択された。裁判所は、有罪になった被告人が被害者から奪った財産の没収、それを正当な所有者に返還するよう命じることしかできないのである。

今までのところ、シエラレオネ政府は、国内の司法制度を見直し、特別法廷が起訴した犯罪の被害者がすみやかに賠償請求できるような手続きを整えていない。とりわけ原状回復、社会復帰、金銭賠償、再発防止の履行と保証など、被害者が遅滞なく補償を受けることができるような略式措置が設けられるかどうか、また賠償請求に対する法的支援が得られるかどうかは、明らかになっていない。

1999年7月7日に締結されたロメ協定 の恩赦条項は、いまだにシエラレオネの裁判所において人道に対する罪、戦争犯罪、国際法によって犯罪とされるその他の罪で起訴する際の障害になっている。恩赦が仮に適用されない場合でも、シエラレオネでは、これらの犯罪を国内法上の罪として定めていないため、これら犯罪の起訴は不可能であろう。

AI Index: AFR 51/003/2007
2007年6月20日

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