- 2019年10月19日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:シエラレオネ
- トピック:性と生殖の権利
10代の妊娠率が高いシエラレオネの政府は本来、学校での性教育の充実や少女への暴力対策に取り組むべきところを、妊娠中の女生徒の通学を禁止するという処罰的措置を取ってきた。
妊娠した少女からの通学したいという要望を繰り返し退けており、その結果、女性に対する差別を社会に根付かせ、不平等な扱いを助長している。本来、手を差し伸べるべき数百人の少女たちを、辱めを受け、責を負うリスクにさらしているのだ。
政府は、その国際的な人権義務に従い、登校禁止措置を即時撤廃し、妊娠中の少女が教育を受ける権利を尊重しなければならない。
背景情報
シエラレオネの教育担当大臣は10月15日、「妊娠中の生徒は、試験は受けられるが、授業を受けるのは認められない」とする通達を出した。
通達文は、政府の時代錯誤的な立場を反映した、極めて傲慢で杓子定規な内容だった。
妊娠した少女は「効果的な学習能力が欠如する妊娠中は、通学すべきではない」「他の生徒らに性行動の乱れと妊娠などの悪影響を及ぼすおそれがあることは、広く知られている」としている。
しかし、政府は、悪影響の根拠となる統計的数値をまったく示していない。
今年5月、妊娠中の女生徒を他の生徒と違う場所で勉強させる措置や試験を受けることを禁止した措置は違法だとして、NGO団体が国を相手に訴訟を起こした。提訴したのは、地元のNGOウェイブス(WAVES)と国際NGOのイクオリティ・ナウだ。アムネスティも6月から法廷助言者として参加している。現在、西アフリカ諸国経済共同体裁判所(ECOWAS)で係争中だ。
アムネスティ国際ニュース
2019年10月16日
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