リビア:医療従事者に対する死刑判決が減軽

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2007年7月17日
国・地域:リビア
トピック:死刑廃止
リビア当局が6人の外国人医療従事者に対する死刑を減軽したという発表が7月17日にあった。これは非常に歓迎すべきことだが、ここに至るまでがあまりにも長く、とられた措置は不適切であったとアムネスティ・インターナショナルは述べた。6人(パレスチナ人医師1人とブルガリア人看護師5人)は、1999年に投獄され、数百人の子どもたちをHIVに感染させたとして2004年に死刑判決を受けた。

「長い間6人の頭上にのしかかっていた処刑の脅威がなくなったことに私たちは安堵しています。しかしまだ終身刑の身であることを残念に思います。不公正な裁判で2度も死刑判決を言い渡された被告人たちだけでなく、ベンガジの病院でHIVに感染した子どもたちの家族にとっても、この事件は、長く苦痛に満ちたものでした。」と、アムネスティの中東・北アフリカ部のマルコム・スマート部長は述べた。

アムネスティは今後、引き続き6人の釈放を求めていく。今回の事件で、リビア当局が司法改革を推進する必要性があることが強く示されたとアムネスティは語った。

「被疑者のためにも、また当然の権利として正義を求める被害者のためにも、リビアで二度とこのようなことが起きないよう保証するために、今回の事件を教訓とせねばならない。リビア当局は、起訴されないまま被疑者が長期拘禁されたり、拷問を受けたりしないよう法的予防措置をとること、また全ての被告人が公正な裁判を受けることができることを保証しなければならない」とマルコム・スマート部長は述べた。

リビアの指導者ムアマル・カダフィの息子の1人が会長をつとめるカダフィ開発基金が今回の件で果たした役割をアムネスティはたたえる。カダフィ開発基金は、6人の裁判と処遇についての懸念を繰り返しとりあげた唯一の国内組織だった。リビア当局、感染した子どもたちの家族、外国政府が政治的妥協点を見出すために、同基金は重要な役割を果たした。

背景

パレスチナ人医師のアシュラフ・アフマド・ジュマ・アル・ハジュジとブルガリア人看護師5人(ヴァリャ・ゲオルギエヴァ・チェルヴェニヤシュカ、スネジャナ・イヴァノヴァ・ディミトロヴァ、ナーシャ・ストイチェヴァ・ネノヴァ、ヴァレンティナ・マノロヴァ・シロプロ、クリスティアナ・ヴェネリノヴァ・ヴァルチェヴァ)は1999年から拘束されている。6人はベンガジのアル・ファテー小児病院で426人の子どもたちを故意にHIVに感染させたとして有罪となり、2004年5月に銃殺刑の判決を受けた。6人は一貫して容疑を否認してきた。

2005年12月25日、死刑判決は最高裁で覆され、逮捕と取調べにおける「規則違反」を理由に再審が命じられた。2006年5月11日、ベンガジの刑事裁判所で再審が始まり、2006年12月19日、再び死刑判決が言い渡された。2007年7月11日、最高裁が死刑判決を支持した。本日、最高司法評議会による審議の結果、死刑判決が減軽された。リビアの法律では、すべての死刑判決は最高司法評議会で最終審査されなければならないことになっている。

6人が拘束されてから、426人の子どものうち56人ほどがエイズで死亡した。患者とその家族を支援するための国際基金が設立される一方、この悲劇的な事件の真実を解明できるような手続きはとられないままである。

AI Index: MDE 19/011/2007
2007年7月17日

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