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リビア:移民収容所の空爆 戦争犯罪のおそれ

2019年7月11日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:リビア
トピック:難民と移民

首都トリポリ東部のタジュラにある入国管理収容施設が7月2日夜、空爆を受け、少なくとも40人が死亡し、80人以上が負傷した。死者は、さらに増えるおそれがある。国際刑事裁判所は、この事態を早急に調査するよう命じるべきだ。

施設には、難民や移民600人以上が収容されているが、出入り口は施錠されているため、自力で脱出できない。このことは、紛争当事者たちに周知のことであり、今回の攻撃は戦争犯罪にあたるおそれがある。

残忍な攻撃は、欧州とリビアによる冷淡な移民政策が生み出したものといえる。両者が、欧州への難民・移民の流入を食い止めるために結託したことで、数千人もの人びとが地中海からリビア国内の収容施設に送られてきた。

首都トリポリの奪還を目指す反政府武装組織「リビア国民軍」と国際的に承認されている国民合意政府との間で戦闘が続いてきたが、今回の死者数は、これまでの戦闘による市民死者数の2倍にのぼる。

犠牲者のほとんどは、自国の紛争や迫害、貧困を逃れて欧州を目指したが、紛争下にある施設に収容されてしまった難民や移民だ。同様に危険な他の収容施設に入れられている人びとを、直ちに安全な場所に移動させるべきだ。

アムネスティが7月3日に接触した移民・難民の話では、最初に施設付近が空爆を受け、その直後の攻撃で、男性収容棟が直撃を受けた。撮影された写真には、爆弾でできたと思われる直径数メートルにわたり陥没した地面が写っていた。

空爆後、300人ほどが欧州を目指したが、地中海で追い返され、リビアにもどり、タジュラで路上生活を送っている。

攻撃を加えたのはどちらの陣営なのか、今後の調査が待たれるが、複数のメディアによると、リビア国民軍が最近、F16戦闘機を入手したという。F16並みの戦闘機であれば、夜間の空爆も、この大きさの陥没ができる爆弾を落とすことも可能だ。

アムネスティはこれまで、紛争当事者たちに、移民・難民が戦闘に巻き込まないように、彼らの安全な場所への移動を繰り返し要請してきた。

タジュラの収容施設の敷地内には、武器庫があり、5月初旬、施設から100メートルほどのところにあった軍車両が空爆を受けた。これを受け、アムネスティは当局に対して、施設内の移民・難民の命を危険にさらしていると警告していた。国連難民高等弁務官事務所は、彼らを大至急移動するように求めた。

国際人道法は、紛争の全当事者に、民間人の被害を最小限にするため、攻撃中止を含む最大限の対応を義務付けている。たとえ攻撃目標が兵站施設であったとしても、近隣に住民が大勢いる場合は違法となる。紛争当事者たちは、民間人から犠牲者を出さないために攻撃目標の変更を含む措置を取らなければならない。

アムネスティの調査で、収容施設にいる人びとの中には、タジュラの軍事施設で強制的に働かされている人たちがいることがわかったが、これも国際法違反である。

今回、難民・移民が攻撃を受け犠牲者を出した事態を受け、欧州連合(EU)は、難民をリビアに委託する合意を停止すべきだ。EUは今こそ、難民・移民が置かれている非人道的な状況に目を向け、彼らの安全確保のために再定住地を提供すべきである。

また、彼らがリビア国外に逃れる安全なルートを即刻、確保するとともに、地中海で救助された人びとをリビアに送ってはならない。

アムネスティはこれまで、国連によるリビアへの武器禁輸措置が守られていないことが、トリポリの紛争を激化させ、戦争犯罪など人権侵害を助長していると警告してきた。その結果、リビア市民10万人以上が、国外に脱出している。

アムネスティ国際ニュース
2019年7月3日

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