- 2008年4月11日
- 国・地域:スーダン
- トピック:地域紛争
	さらにアムネスティは、「こうしたジャンジャウィドによる攻撃の責任は、第一義的にスーダン政府にある。ジャンジャウィドの攻撃によって多くの人が死亡・負傷し、地区一帯の住民は恐怖で凍りつき、日常生活の維持も困難な状態になっている」と述べた。
	
	「国連安保理はスーダン政府に対して、ジャンジャウィドを直ちに武装解除させ、戦争犯罪に加担した者の逮捕・起訴を要求するべきである」。
	
	国際社会が怒りの声を上げる中で、スーダン政府はダルフール危機の軍事的な解決を図り、ジャンジャウィドの武装解除と動員解除を依然として拒否している。
	
	「スーダン政府はジャンジャウィドの武装解除どころか、ジャンジャウィドを事実上養成している。武器の提供、準軍事組織への統合は続き、訴追どころかジャンジャウィドの刑事訴追免除を助長している」と、アムネスティは述べた。
	
	4月6日日曜日、ダルフール北部のエル・ファシェルやカブカビヤの町で、この日を発端として、組織的とみられる一連の事件が発生した。民間人の服装または国境警備隊の制服に身を包んだジャンジャウィド民兵が、武装車両やラクダ、馬などに乗り2つの町を急襲したのだ。
	
	同様の襲撃の脅威は拡大しているもようだ。同じくダルフール北部のタウィラでは、町を通過するジャンジャウィドが目撃されている。
	
	ジャンジャウィドの襲撃は、これまでと同じパターンであった。ジャンジャウィドのメンバーたちは、エル・ファシェルとカブカビヤで民家や銀行、商店などから金品を強奪した。町の市場は武力で制圧され、商人たちは襲撃を受けて略奪された。この事件で死者4人、負傷者が多数出たと伝えられている。
	
	「アフリカ連合・国連混合部隊(UNAMID)がダルフールに配備されている鼻先で襲撃が頻発していることにより、恐怖感が増大し、国連は住民を十分に保護できないと人びとは感じている」と、アムネスティは語る。「国連安保理は、これ以上遅れることなくUNAMIDが完全に配備され、十分な資源が与えられるよう保証しなければならない。さらに、将来においてもこうした襲撃を防げるように、国連安保理は先を見越して任務を遂行する必要がある」。
	
	ジャンジャウィドによる攻撃が始まった時、UNAMIDはカブカビヤに派遣された。にもかかわらず、スーダン軍が到着するとUNAMIDは撤退してしまった。カブカビヤでは、民間人3人が殺害されている。
	
	またエル・ファシェルでは、UNAMIDはジャンジャウィドの襲撃に介入して阻止しなかった。代わりにスーダン警察や部族リーダー、州知事などがジャンジャウィドの指導者との仲裁に入った。1人が殺害され、数人が負傷し、2日にわたって恐怖と不安が地域を支配した。
	
	民間人の保護を責務とするUNAMIDが駐留しているにもかかわらず、このように襲撃が起きうることを、アムネスティは非常に懸念している。
	
	アムネスティは次のように語っている。「UNAMIDの派遣部隊が完全に配備され、必要とされるヘリコプターや装備品の提供があれば、UNAMIDはより広範な地域を保護することができる。さらに現地でのパトロールやきめ細かい監視を増加させることができ、ひいては最近目撃されたような襲撃の阻止に繋がっていくはずである」。
	
	アムネスティ発表国際ニュース
	2008年4月11日
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