- 2008年10月31日
- 国・地域:イラン
- トピック:死刑廃止
ホセイン・ザブヒ司法副長官の声明によれば、先日、すべての司法部門に対し、判決の際には、恩赦および減刑に関する規定を適用するよう通達が出たという。この規定では、未成年時犯罪者の死刑判決をまず終身刑に、続いて15年の有期刑に減軽できることになっている。
同副長官はイラン国営通信(IRNA)のインタビューに答えて、現在死刑が適用可能となっているすべての犯罪にこの通達はあてはまると述べた。
しかし、殺人でキサス (同害報復刑)の判決を受けた人びとがこの通達の対象となるかどうかは不明である。イラン当局は以前から、キサスが適用されるケースと、その他の死刑相当犯罪とは別であると主張してきた。
最近では、10月13日に最高裁判所長官がこの主張を支持する発言をしている。このような主張は国際法では認められていない。国際法では、あらゆる未成年時犯罪者に対し、国家が死を宣告することを明確に禁止している。
2008年に未成年時犯罪者を処刑した国は、わかっているところではイランだけである。未成年時犯罪者は18歳になってから処刑されるのが通例だが、16歳で処刑されたケースなどが数件あることをアムネスティは把握している。またイランでは今年になってからすでに、少なくとも6人の未成年時犯罪者が絞首刑になっている。
アムネスティは、通達の本文を発表するようイラン当局に求める。そして、殺人の事例にもこの通達を適用し、国際的な人権上の義務を果たすつもりであることを、イラン当局は明確にすべきである。さらに、国会で現在審議中の法案にただちにこの通達を組み込むよう求める。また上級立法機関である護憲評議会に対し、この通達を支持するよう求める。
アムネスティは、この動きがイランの全面死刑廃止につながることを望む。また、イランが加盟している自由権規約と子どもの権利条約にのっとった立法とその実施を求める。
アムネスティ発表国際ニュース
2008年10月17日
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