- 2009年4月13日
- 国・地域:中国
- トピック:国際人権法
行動計画には、2010年までに達成すべきいくつかの具体的な目標が含まれており、実現されれば人権にとって重要な前進となるだろう。
しかし、行動計画は、市民的・政治的権利を犠牲にして経済的・社会的及び文化的権利を強調している。行動計画の前文では、人権が不可分で相互依存的なものであると認めているが、市民的・政治的権利に関する重要な改革についての記述は圧倒的に少ない。中国は、人権が普遍的、不可分的、相互依存的、そして相互関連的であるという認識を実行に移さなければならない。完全な人権の享受は、特定の権利のみに焦点をあてていては実現できないのである。
行動計画は、中国において現在も続いている数多くの深刻な人権侵害に対処していない。
この人権侵害とは、表現の自由の権利を行使しただけで標的とされている人権擁護活動家や良心の囚人への嫌がらせ、拘禁、投獄、そしてインターネットおよびその他のメディアの検閲、公正な裁判の機会を与えないまま個人の自由を奪う「労働を通しての再教育(労働教養)」などといった行政拘禁の形態の利用などである。
中国の人権行動計画が人権侵害の現場で現実に影響を及ぼすためには、当局は、国連の人権監視機構と条約機関の総括所見や勧告が強調したような特定の市民的・政治的権利の侵害に対応することを含む、具体的な対策を講じなければならないだろう。
2008年11月、国連拷問禁止委員会の専門家は、拷問に関する法律上の保護と現場での実施との間の齟齬について、重大な情報格差があると言及した。
市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)の署名国として、また、拷問等禁止条約の締約国として、中国は、これらの条約でうたわれている市民的・政治的権利を守る義務がある。アムネスティ・インターナショナルは改めて、中国政府が1998年に署名し批准の意思があることを繰り返し表明している自由権規約への批准を、中国政府に要請する。
アムネスティ発表国際ニュース
2009年4月13日
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