中国:香港で国歌に背を向けて逮捕 表現の自由の侵害

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2024年6月15日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:中国
トピック:表現の自由

6月6日に香港で開催されたサッカーのワールドカップ・アジア予選での試合前の中国国歌演奏時、ピッチに背を向け、起立しなかったのは国歌への侮辱にあたるとして3人が逮捕された。

またしても香港での平和的な抗議行動が、表現の自由を封じ込めるために施行された抑圧的な法律(今回の場合は国歌法)によって、強硬な警察の対応を受けることになった。

わずかな反対の兆候さえも厳しく監視され、重罰に処される香港では、警察国家であることをますます浮き彫りにする事件が続いている。

国歌やその他の国家シンボルについて思いを表現する権利は、国際人権法によって強く保護されている。しかし、香港では中国の国家を「侮辱」することは、たとえ座り続けるという単純な行為であっても、犯罪になる。

逮捕された人たちは表現の自由の権利を行使しただけであり、当局は彼らに対する処分を直ちに取り下げるべきだ。

背景情報

地元メディアによると、中国国歌が演奏された際、観客を監視する私服警官が、観客の様子を撮影していた。

2020年に成立した香港の国歌法では、中国国歌に対する「侮辱」とみなされる行為は犯罪であり、最高3年の禁錮刑が科される。6月6日に逮捕された人たちは全員保釈されたが、捜査は続いている。

この数週間、香港では平和的な活動に対する取り締まりが続いている。

6月4日、35年前のこの日に起きた天安門事件の犠牲者を追悼する集会で4人が逮捕され、その数日前には、この弾圧の犠牲者を追悼した8人が、3月に施行された「国家安全条例」法の「扇動罪」で逮捕された。

国際人権法の下では、表現の自由は、差し迫った暴力を煽動する意図や可能性がなければ、一部の人が不快に思うような思想や言論でも保障される。

国際人権基準では、国家やその象徴に対する批判や侮辱は、たとえ不快であっても国家の安全に対する脅威にはならず、他の理由による禁止を正当化するものでもないことが明記されている。

アムネスティ国際ニュース
2024年6月7日

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