中国:インターネット検閲に終止符を

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2010年1月31日
国・地域:中国
トピック:企業の社会的責任
インターネット関連企業であるグーグルが人権活動家の電子メール・アカウントへの不正アクセスについて懸念を表明したことを受け、アムネスティ・インターナショナルは再び中国当局に対し、インターネットの検閲をやめるよう強く求めた。

グーグルは、中国の人権活動家の電子メール・アカウントがハッカーの攻撃対象とされたため、中国における検閲と検索エンジンのアクセス制限ソフトを外すというグーグルの意向について話し合うため、中国の当局に対して緊急の会合を呼びかけたと述べた。

グーグルを含む、中国で展開しているインターネット会社の多くが、検索結果から特定の「配慮を要する」ウェブサイトを外すなど、中国政府からの検閲の要求を受け入れてきた。

「人権活動家の電子メール・アカウントにアクセスしようとの試みがあったことは、非常に憂慮すべきことだが、グーグルが自分たちの顧客のプライバシー権や表現の自由に関して懸念を公表したのは、正しい方向への第一歩である。また、グーグルが、検閲を通さずに人びとが情報にアクセスできる必要性を強調したのは歓迎されるべき動きだ。私たちは、他の会社も中国政府の検閲を続ける政策に対して異議を唱えることを望む」と、アムネスティ・インターナショナルのアジア太平洋部副部長ロジーン・ライフは述べた。

「私たちは、検閲に関するグーグルと中国当局の話し合いが、中国でのより開かれたインターネット環境をもたらすように望む。また、グーグルが中国政府とともに、中国国内を発生源とするハッカー行為に対して関心を高めることも重要である」とライフは述べた

アムネスティは、中国でビジネスを行っている会社に対し、インターネット利用者の表現の自由を尊重し、インターネットの検閲や情報の流通の自主規制によって当局に協力しないように呼びかけてきた。

中国は、特定のキーワードや政治的に配慮を要する内容へのアクセス制限を含む、広範囲に及ぶ検閲を行っている。その結果、当局によって、特定のインターネット検索結果が閲覧できなくされたり、政治的に問題であるとみなされた多数のウェブサイトが完全に遮断されたりしている。遮断されたウェブサイトには、アムネスティなどの人権に関するウェブサイトが含まれている。

人権活動家やその他の個人が、インターネットで情報を発信したことを理由に長期の刑を言い渡されている。

著名な人権活動家である劉暁波(Liu Xiaobo)は、政治的な執筆活動や「08憲章」起草への参加、民主改革と国内での人権尊重を求める嘆願書をインターネットに掲載したことで、11年の刑を言い渡された。

2005年4月、中国人ジャーナリストの師濤(Shi Tao)が「不法に国家の機密を外国の団体に提供した」ことを理由に10年の刑を言い渡された。中国当局は彼の電子メール・アカウントの情報をヤフーから取得し、師濤を起訴する証拠を収集するために用いた。

「インターネットの検索エンジン会社が、中国で採用されている検閲方法が自分たちの顧客の最良の利益にはならず、表現の自由や情報に対する権利の促進に寄与しないということを認識するのは重要なことだ」とライフは述べた。

アムネスティ発表国際ニュース
AI Index: PRE01/004/2010
2010年1月13日

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