- 2010年2月 4日
- 国・地域:イラン
- トピック:死刑廃止
	モハマド・レザ・アリザマニとアーラシュ・ラフマニプルは、不公正な裁判の結果、「神に敵対する行為」を行ったこと、及びイランの王制復活を求める禁止組織であるアンジョマンエ・パデシャヒエ・イラン(API)のメンバーであることを理由に有罪判決を受けた後、28日に絞首刑に処せられた。
	
	これは、6月にイラン全域で発生し、その後もなお続いている選挙後の暴力行為に関連する初めての処刑である。
	
	「この衝撃的な処刑は、イラン当局が選挙以来続く平和的な抗議行動を鎮圧するためなら手段を選ばない、ということを示すものである」と、アムネスティ・インターナショナルの中東・北アフリカ部副部長ハッシバ・ハジ・サラウィは述べた。
	
	「2人は不公正な有罪判決を受けた最初の人たちであり、このたび不当に殺害された。2人の『自白』が強要されたものとみられる以上、彼らがこの組織と関与していたかどうかさえはっきりしていない」
	
	イラン当局によれば、他にも少なくとも9人が同じように選挙後の「見せしめ裁判」で死刑判決を受け、現在イラン国内の死刑囚監房に入れられているという。
	
	「懸念されることは、今回の処刑が同じように曖昧な文言で規定された犯罪の容疑で裁判にかけられた人たちに対する、相次ぐ処刑の始まりに過ぎないのではないかということである」と、ハッシバ・ハジ・サラウィは述べた。
	
	モハマド・レザ・アリザマニとアーラシュ・ラフマニプルは10月、テヘランの革命裁判所で「神に敵対する行為」の容疑で有罪判決を受けたが、同時に「体制に反対する宣伝」や「聖なるものへの冒涜」、「国内の治安を害する目的で集まり、共謀した」罪によっても有罪とされている。
	
	モハマド・レザ・アリザマニは、不法にイラクを訪れた容疑でも起訴された。彼はそこで米軍当局者に接触したとされている。
	
	アーラシュ・ラフマニプルの弁護士は、本人が選挙をめぐる抗議行動にまったく関与しておらず、家族が脅迫されたため「見せしめ裁判」で自白を強要されたと述べている。
	
	2人の弁護士には、イランの法律で規定されているにもかかわらず、本人の処刑に関する情報提供がまったく行われなかった。
	
	「これらの処刑は、イラン当局が司法制度を弾圧の道具として用いていることを浮き彫りにするものである。当局は、政府に反対し平和的な抗議行動を行う権利を行使したいと考える人びとに対して、街頭に出ないよう警告を行っているのだ」と、ハッシバ・ハジ・サラウィは述べた。
	
	イスラム革命の記念日である2月11日には、さらなる反政府デモが広い範囲で行われるものと予想されている。
	
	イラン当局者によれば、治安部隊によって暴力的に鎮圧された選挙後の抗議行動において、40人以上が死亡したという。アムネスティはその実数ははるかに多いと考えている。5,000人以上が逮捕され、その多くが拷問や虐待を受けた。
	
	不公正な裁判の結果、数十人が実刑判決を受け、その一部はむち打ち刑となった。そして、少なくとも11人が死刑判決を受けた。そのうちの1人、ハメド・ルーヒネジャードの死刑判決は、2010年1月に、控訴審において減刑された。
	
	アムネスティ発表国際ニュース
	2010年1月28日
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