イラン:宗教的少数派のリーダーへの拘禁刑を非難
- 2010年10月 8日
- 国・地域:イラン
- トピック:先住民族/少数民族
イランの宗教的少数派バハーイーのリーダーである男性5人と女性2人は、2年以上前に逮捕され、8月7日に有罪判決を受けた。テヘランの革命裁判所は、罪名を「イスラエルのためのスパイ活動」、「神聖な宗教への冒涜」、そして「体制に反対する宣伝活動」などとした。
ファリバ・カマラバデイ、ジャマロデイン・カンジャニ、アフィフ・ナエイミ、サイエド・レザイエ、マーヴァシュ・サベット、ベフルーズ・タヴァコリ、そしてヴァヒード・ティズファームはすべての嫌疑を否認しており、7人の弁護人たちは控訴する意思を表明した。
「この判決は、イラン当局のバハーイーに対する根深い差別が、決定的な形で現れたものである」とアムネスティの中東・北アフリカ部副部長ハッシバ・ハジ・サラウィは述べた。
「これら7人のバハーイーのリーダーたちの中には、高齢の者も含まれており、抑圧されている少数派であるバハーイーのために、自らの信じるところを平和的な活動の中で表明したというだけの理由で拘禁された良心の囚人である。」
「7人は、起訴もされないまま何カ月も拘禁されたうえ、茶番のような裁判にかけられた。彼らは直ちに解放されなければならない。」
7人のバハーイー教徒は、2008年の3月から5月の間に逮捕され、拘禁されたままたびたび審理の開始が延期された。彼らの弁護人たちは依頼人への面会をほとんど許されることなく、当初は法廷への入場も禁じられていた。弁護人の一人であるノーベル平和賞受賞者シリン・エバディは、2009年6月以降、イランへの帰国を許されていない。2010年2月、彼女はアムネスティに、7人の起訴事実は存在せず、彼らへの訴追は事実無根だと述べた。
イラン当局は、2009年12月の宗教的祝日アシュラの際の騒乱を組織化したとして、とりわけバハーイー教徒を非難している。この騒乱は、2009年6月に行われた不正が疑われている大統領選挙後に行われた、最後の大規模な抗議行動であった。バハーイー共同体は一切の関与を否定している。
「当局は彼らが関与していたという証拠がないにもかかわらず、少数派バハーイーを騒乱のスケープゴートとしようと試みた」とハッシバ・ハジ・サラウィは語った。
バハーイー教はイランの憲法では認められておらず、彼らは法的にも保護されていない。
イラン当局はバハーイー教徒の教育や就労の平等の権利を否定し、年金などの福祉手当を制限することでしかるべき生活水準を保つことを認めていない。イランにおける30万人強のバハーイー共同体は集会を持つ権利が認められておらず、宗教行事を行ったり、他の信者と宗教的な行為をすることを禁じられている。
アムネスティ発表国際ニュース
2010年8月10日
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