ミャンマー(ビルマ):危険にさらされているロヒンギャの人びとは保護を求めている

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2011年2月17日
国・地域:ミャンマー(ビルマ)
トピック:難民と移民
ビルマ(ミャンマー)における組織的な迫害から逃げてきている何百ものロヒンギャの人びとがタイやインド、インドネシアからの緊急の援助を求めている。

ロヒンギャ人と思われる91人のグループが、2011年の2月の上旬にインドのアンダマン諸島にたどり着いた。彼らの主張によると、タイの海軍によって2011年の1月に、限られた食糧と水しかないエンジン未搭載のボートの上で、沖の方に追い返されたという。しかし、タイの関係当局は2011年の1月下旬にタイに勾留していた91人の人をビルマに返したと主張している。アムネスティ・インターナショナルはタイ政府にこのグループに対して、どのような待遇をしたのかについて、透明性の高い独自調査をすぐに行うように要求した。

タイの関係当局では、2011年の1月から、ロヒンギャ人だと主張する、子どもも含む何百もの人びとを拘留してきた。

さらに、ロヒンギャ人だと主張する129人の人びとが、2011年の2月17日にインドネシアのアチェにたどり着いている。

ロヒンギャ人はビルマのラカイン州に住んでいるが、強制労働、強制立ち退き、土地の押収や移動の自由に対する厳しい制限など、組織的な迫害に苦しんでいる。ビルマ政府は、彼らを無国籍であるとし、市民権を認めることを拒絶しており、国際条約に定められた権利を侵害している。多くのロヒンギャ人はバングラデシュに逃れ、他の国で仕事を探そうとしてきた。

2008年の終わりと2009年の始めにタイの保安部隊は航行不能な船に乗っている何百ものロヒンギャ人を海へ押しやった。その船に乗っていたロヒンギャ人の中には、結果的に死んだ者もいた。救助された人の多くはインドのアンダマン諸島に勾留され、適切な保護の必要があるかどうか適切な査定を受けることもなく、不安定な地位のまま、滞在している。

アムネスティはタイ、インド、インドネシアの政府に対し、国際人権と国際慣習法における責任に基づいて行動することを要求した。これには、各政府の領土にいる、自分をロヒンギャ人だと主張する人びとに、完全で公平な難民認定の手続きを受けられるようにすること、国連の難民機関であるUNHCRがロヒンギャ人とコンタクトをとることを認めることも含まれる。

アムネスティは、ロヒンギャ人はもしビルマに返されることがあったら、人権侵害の危険にさらされるだろうと強く主張している。どのロヒンギャ人も他の亡命希望者も迫害を受ける十分な恐れがあるのであれば、彼らが希望しているわけでもないのに、ビルマに返されるべきではない。

これまでアムネスティは、ロヒンギャ人に対する組織的な迫害をやめるように強く要求してきた。また、ビルマの隣国には、自国領のロヒンギャ人全てに国連の難民機関であるUNHCRが、ただちにコンタクトをとれるようにすること、そして1967年の議定書、つまり難民の地位に関する国連協定と、無国籍の人びとの地位に関する国連協定を批准することも要求してきた。

アムネスティ公式声明
2011年2月17日

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