中国:当局はノーベル平和賞受賞者の劉暁波と、その他の活動家を釈放すべき

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2011年12月20日
国・地域:中国
トピック:国際人権法
中国は、ノーベル平和賞の受賞者である劉暁波を釈放すべきである。劉暁波のノーベル平和賞受賞から一年経つ12月10日を迎えるにあたり、アムネスティ・インターナショナルはこのように述べた。

劉暁波は、2010年12月10日、本人欠席のまま同賞を受賞して以来、投獄されたままである。彼の妻である劉霞もまた、違法な自宅軟禁状態に置かれている。

一方、ベテランの民主運動家である劉賢斌を含む、その他の政府の批判者も、劉暁波らと同様に偽りの「国家政権転覆扇動罪」の容疑で、長期間の投獄の判決を受けている。

「劉暁波と劉霞がこのような苦境に置かれているのは、中国政府が、あらゆる必要な手段を用いて反対意見を根絶しようと、ますますやっきになっていることの表れです」

「権力を拡大しつつある警察と公安は、司法を超越する形で、人びとを拘束し、しばしば彼らに対して拷問や虐待を行います。彼らは、何の罪に問われることもなく、そのような活動を続けているのです」とアムネスティのアジア太平洋副部長キャサリン・バーバーは述べた。

中国政府は8月、刑事訴訟法の改正を提案した。これは、容疑者を秘密裏の拘禁施設に隔離拘禁できる権限を、警察に与えるものである。

劉暁波は、不公正な裁判の後、2009年に「国家政権転覆扇動罪」で11年間の投獄の判決を受けている。

芸術家で詩人でもある劉の妻の劉霞は、2010年以来、電話やインターネットを含むすべての通信手段を遮断された状況の中、外部から隔離されて北京の自宅で生活することを余儀なくされている。

劉賢斌は、民主主義活動を行ったこと、「08憲章」の請願署名活動を支持したこと、政治改革に関する文章を書いたことにより、3月に10年間の投獄の判決を受けた。投獄されるのは、今回が三度目である。

「重要な指導者の交代が近づく中、中国政府が政府への反対意見に対し、懸念や不安を高めている兆候がみられます。そのような状況の中、中国の人びとは、単に民主主義を支持したり、あるいは人権の尊重を求めるだけで、「国家政権転覆扇動罪」に問われる危険にさらされているのです」

「中国当局は、政治改革、民主主義、または人権について主張したり、腐敗した役人を批判したり、(中国政府の言うところの)「邪教(カルト)」を信仰した人びとを、投獄したり「強制的に失踪」させたりしています。中国の人びとは拘束衣を着せられているかのごとく、自由を奪われて生活しているのです」とキャサリン・バーバーは語った。

劉賢斌は人権と民主主義に関する文書を公表し、迫害を受けている活動家に対する人びとの関心を喚起するために、活動してきた。また同氏は、劉暁波と共同で執筆した、中国における根本的な司法改革と政治改革の提言である「08憲章」を支持した。

劉暁波は、「08憲章」を起草し、憲章への署名を募り、憲章をインターネット上で公開したことと、人権と民主主義に関する文章を書いたことにより、有罪判決を受けた。

劉霞の消息は、2011年の2月以来途絶えている。2011年3月、中国政府は、劉霞のケースを調査している国連の作業部会に対し、劉霞に対して「強制的な法的手段」をとったことはまったくないと述べた。

非公式な報告によると、劉暁波と劉霞の二人は2011年1月以降、二度面会することを許されたという。

アムネスティ発表国際ニュース
2011年12月9日

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