- 2012年3月 2日
- 国・地域:中国
- トピック:難民と移民
越境で拘束された少なくとも40人が現在、中国北東部の北朝鮮国境近くの収容所に拘禁されているといわれている。もし彼らが北朝鮮に送還されれば、拷問や虐待、強制労働、政治犯収容所への留置、処刑といった、深刻な危険にさらされることになる。
1月、北朝鮮当局は越境者を糾弾し、「帰国すれば厳罰に処す」と脅迫したとされる。
「指導者の継承期に、北朝鮮の新政府が越境者を恫かつすることは、帰国者は通常以上に過酷な処罰を受けることを意味しています」と、アムネスティの東アジア担当調査官ラジブ・ナラヤンは語った。
「北朝鮮当局は何びとをも、中国への出国の罪で拘禁したり、起訴したりすることがあってはなりません。また、帰国した人たちの人権を、全否定するようなことは絶対あってはなりません」
「中国当局もまた、国際法を犯す行為をやめ、人びとが迫害、拷問、死に直面する国に強制送還することをやめるべきです」
北朝鮮では、2011年12月、金正日の死後、 息子の金正恩への指導体制の移行が行われている。
強制送還された北朝鮮人の中には、囚人たちが1日12時間の重労働を科せられることで悪名高いヨドク収容所のような政治犯収容所に収監される恐れがある。
2011年、ヨドクに収監された経験者のある数名が、アムネスティに語ったところによると、囚人たちは奴隷のように強制労働を科され、しばしば、拷問や残酷で虫けらのような扱いを受けた。また聞き取りをした全員が、公開処刑を目撃している。
北朝鮮の人びとは、政府の許可なく海外に旅行することはできず、事実上、出国はできない。
しかし、多大な危険を顧みず、法を犯しても数千人もの北朝鮮人が毎年、中国との国境を超えている。
中国当局は、すべてのビザなしの北朝鮮の人びとを経済移民とみなし、拘束した場合は北朝鮮へ強制的に送還している。
中国は国連難民条約の締約国であるにもかかわらず、国連の難民機関である国連難民高等弁務官が国内の北朝鮮人に接触するのを、妨害してきた。
国際法は、人が、迫害、拷問、虐待、死などの危険のある国へ直接または第三国経由で強制送還することを禁止している。
北朝鮮当局は、同国の人権状況を調査するアムネスティや国連特別調査官らの国際人権監視員の立ち入りを拒否している。
アムネスティ発表国際ニュース
2012年2月29日
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