日本:今後、一切の執行停止を求める

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2012年3月30日
国・地域:日本
トピック:死刑廃止
3月29日、小川敏夫法相は、3人の死刑囚の執行を承認した。日本ではおよそ2年ぶりの死刑執行となる。死刑に反対するアジアネットワーク(ADPAN)は、今回の執行に強く抗議するとともに、今後の執行を憂慮している。

執行されたのは、東京拘置所の古澤友幸氏(46)、広島拘置所の上部康明氏(48)、福岡拘置所の松田康敏氏(44)の3人である。

2010年、当時の千葉景子法相は「死刑の在り方についての勉強会」を設立し、市民グループを勉強会に招いた。しかし今月、同会は打ち切られた。

2月には欧州議会が、小川法相に執行を承認しないよう要請するとともに、勉強会の活動を支持するよう要請する決議を採択した。29日、欧州評議会議員会議は「3人の死刑執行に強く抗議する」と述べた。

日本での執行は絞首刑であり、通常は秘密裡に行われる。死刑囚が執行を知らされるのは当日の朝であり、家族は執行後に告知される。

死刑囚は、つねに執行の恐怖の中で生きている。何年も、ときには何十年もこの恐怖にさらされるため、多くの囚人がうつ病や精神疾患にかかっている。

「国民の意見は確かに無視できません。しかし、情報を公開し、議論を先導してこそ、死刑を廃止するとはどういうことかを考え、理解することができるのです」とADPANのルイス・ヴィシャー・コーディネーターは語った。

2011年、アジア地域では死刑の合法性を疑問視する傾向が顕著に見られた。モンゴルでは、大統領が死刑停止の決定を下し、今月には、国連の「市民的及び政治的権利に関する国際規約」の第2選択議定書(いわゆる死刑廃止議定書)に公式に加入した。

全世界の国々の3分の2以上が、法律上または事実上の死刑を廃止している。アジア太平洋地域では41ヵ国中、わずか13ヵ国が死刑を維持し、残りの国々は法律上または事実上、死刑を全廃している。ADPANは日本での執行停止を要求している。

ADPANは、アジア太平洋地域全体の死刑廃止に向けた活動をしている、独立した地域広域ネットワークである。同地域24ヵ国の弁護士、NGO、市民グループ、人権擁護活動家などで構成されている。

アムネスティ発表国際ニュース
2012年3月29日