- 2014年8月 4日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:米国
- トピック:地域紛争
米国はイスラエルに武器を輸出することで、ガザ地区でのさらなる人権侵害に手を貸しているも同然である。(C) EPA
イスラエル軍は、ガザ地区の市民を攻撃し多数の犠牲者を出している。これは民間人を砲撃するという国際法違反にあたる。アムネスティは、イスラエルに武器を大量に供与してきた米国に対して、国際法違反を助長する武器の供与を即時停止するよう要求する。
7月15日にはイスラエルの港に米国製ロケット迫撃砲4.3トンが陸揚げされ、続いて米国防省は、イスラエル内に貯蔵していた手榴弾や迫撃砲弾の即時供与を承認したと報じられた。
すでに米国はイスラエルに対して、今年1月からの5カ月間で誘導ミサイル部品、ロケット発射装置、迫撃砲部品や小型武器など62億米ドルを超える武器弾薬を輸出している。
米国は、子どもや国連職員ら少なくとも20人が死亡したガザ地区の国連学校への7月30日の爆撃を非難したが、同じ日に同国への武器弾薬の再供給を承認していたことが判明した。
一方、ハマスはイスラエルに対してロケット砲で無差別に攻撃し、民間人を危険にさらしている。これも重大な国際法違反である。
先週イラン議会議長が、ハマスに武器製造のノウハウを提供していると話した。昨年11月の話でも、イランはこれまで、資金面と軍事面でハマスを支援してきたという。イスラム革命防衛隊最高司令官も、ミサイル技術を供与されたと言っている。
アムネスティは国連に対して、国際人道法ならびに人権のあらゆる面に対する違反行為を阻止するため、イスラエル、ハマス、パレスチナ武装グループへの包括的な武器禁輸措置を講じるよう求める。
国連が武器禁輸をしない場合は、すべての国に対して紛争当事者に対する武器、弾薬、支援の供与を一方的に打ち切るよう求める。また、過去の紛争における国際法違反が適切に調査され責任者が裁かれるまで、輸出を解禁してはならない。
イスラエルへの主要武器輸出国である米国は、イスラエルへの輸出の即時停止と、紛争の全当事者に対する国連主導の武器禁輸措置を後押しすることで、同国が掲げる人権と国際人道法遵守の精神を率先して示さなければならない。
アムネスティ国際ニュース
2014年7月31日
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