イラン:投獄された漫画家が強制的に「処女検査」を受ける

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2015年10月16日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:イラン
トピック:女性の権利

風刺漫画家のアテナ・ファーガダニさん
風刺漫画家のアテナ・ファーガダニさん

風刺漫画家のアテナ・ファーガダニさんは、弁護士と握手をしたというだけで違法な性的関係を持った容疑で拘束され、起訴された。また、「処女と妊娠の検査」を強要されたという。イランは、女性に対する暴力でつとに知られるが、今回の当局の破廉恥な対応は、同国のさらならる不名誉となる。

アムネスティは、ファーガダニさんが獄中で書き、密かに持ち出されたノートを見る機会があった。そこには、8月12日、刑務所外の医療センターに連れて行かれ、「罪状調査の目的」で同検査を強要された、とあった。

司法当局は、彼女を脅し、罰し、あるいは苦しめようと、性とジェンダーに基づく暴力を加えて、辱めを受けさせた。まったく言語道断で、最低の行為である。

強制的な「処女検査」は、女性と少女に対する差別と虐待の一つであると、国際的に認識されている。それはまた、自由権規約第7条など国際法が定めた、拷問など残虐で非人道的で品位を傷つける処遇の禁止に反している。イランは自由権規約を批准している。

イラン当局は良心の囚人であるファーガダニさんを即時かつ無条件に釈放しなければならない。拘禁中、彼女が再び虐待や報復を受けることがないよう対処しなければならない。暴力や虐待を受けたとの本人の申し立てに対して、早急に公正な捜査を行い、加害者を裁くべきである。ファーガダニさんらジェンダーに基づく暴力被害を申し立てた女性は、その勇気を讃えられ、充分な補償を与えられるべきだ。

当局は、性的検査などの虐待防止策を早急に講じ、被害女性は、法的手続きにより加害者を訴え、補償を受けられるようにするべきである。

アテナ・ファーガダニさんは6月に、弁護士と握手をしたことで、「姦通には至らない違法な性的関係」の罪に問われて以来、刑務官と看守がみだらなジェスチャー、性的な中傷などの侮辱行為をしていると訴えてきた。9月、虐待に抗議して、彼女は3日間飲料を拒否するハンストを行ったが、嫌がらせは続いた。

背景情報

2015年1月から収監されているアテナ・ファーガダニさんは、2015年6月に、政治囚の家族と面会したり国会議員を猿や牛などの動物で表した風刺漫画を描いたりするなどの抗議活動により、12年9カ月の実刑判決を受けた。漫画は、自由意志の避妊手術を犯罪とし、避妊と家族計画のサービス利用を制限しようとする法案に抗議したものであった。

2014年12月、保釈中に彼女は、刑務所で女性看守に殴打され、口汚くののしられ、身体検査として裸にされた様子の映像を、抗議のためユーチューブに投稿した。イラン当局は、これらの申し立てを調査せず、映像暴露の報復のためか、2015年1月に彼女を逮捕した。

アムネスティ国際ニュース
2015年10月9日

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