サウジアラビア:47人を一斉処刑

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2016年1月 6日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:サウジアラビア
トピック:死刑廃止

サウジアラビアは1月2日、47人に対し一斉に死刑を執行した。人権と人命をこれほど無視した行為はない。

47人の中には、著名なイスラム教シーア派の聖職者ニムル・バキル・アル・ニムル師とシーア派の活動家3人がいた。他は、アルカイダと関与した容疑で死刑判決を受けていた。

サウジアラビア当局は、テロとの闘いと安全保護対策のために、死刑を執行したと説明した。しかし、ニムル師への執行は、テロ対策の名を借りた、反対派への報復であり弾圧であった。

ニムル師は、これまで政府を厳しく非難してきたことに絡み逮捕され、今年に入って死刑が確定した。他に6人の政府批判者の死刑が確定した。全員が2011年、シーア派が大多数を占める東部で、政治改革を求めてデモに参加し、逮捕された。裁判は、政治的意図があり著しく不公正であった。

裁判の公正さに重大な疑念があるにもかかわらず死刑を執行することは、取り返しのつかないあるまじき不正義だ。サウジアラビアは、高まる国際的な非難の声に耳を傾け、執行の乱用をやめるべきである。

デモ参加で死刑を宣告された人のうち、二ムル師の甥を含む3人が逮捕時には18才未満だった。裁判は著しく不公正で、拷問などの虐待を受けたという。

同国はまず、彼らが未成年時の犯行による死刑の執行を停止すべきである。国際法は、18才未満の人すべてに死刑判決の適用を禁じている。

サウジアラビアは、長年にわたり世界で特に死刑執行の多い国の1つであり続けている。昨年1月から11月の間で、少なくとも151名が処刑された。これは1995年以降での年間最多件数を記録した。

多くの被告人は、弁護士との接触を許されず、時に拷問などの虐待を受けて強要された「自白」で死刑判決を受けている。

アムネスティは、犯罪者の特質、犯罪の種類、有罪・無罪、死刑執行方法などに関わらず、常にいかなる死刑にも反対する。

アムネスティ国際ニュース
2016年1月2日

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