- 2022年11月23日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:サウジアラビア
- トピック:死刑廃止
サウジアラビアは11月10日、薬物関連犯罪で死刑判決を受けていた2人のパキスタン人に死刑を執行した。昨年1月、同国の人権委員会は、薬物関連犯罪で死刑判決を受けた囚人の死刑執行を一時停止すると発表し、その後薬物関連での執行は止まっていたが、今回の執行で反故となった。
サウジアラビアでは今年に入ってから死刑執行が急増しているが、同国が世界に打ち出してきた「進歩的改革」と呼ばれる取り組みの裏側にあった本性が現れたと言える。
薬物関連などの犯罪で死刑を宣告された人たちは、その命をいつ奪われてもおかしくない状況となった。
犯した罪を問わず、誰も死刑という残酷で非人道的な刑罰を受けてはならない。サウジアラビアは、死刑の全面廃止を視野に入れ、公式に死刑執行の一時停止措置を取らなければならない。当局は、全死刑囚の裁判を見直し、減刑、あるいは死刑を廃した公正な裁判にかける必要がある。また、公正な裁判が保障されるよう、すべての法律と司法慣行を見直すことも必要だ。
背景情報
昨年1月、サウジアラビアの人権委員会が薬物関連罪の死刑囚の死刑執行の一時停止を発表した際、「国と司法制度は、更生と予防を重視している」と説明していた。しかし、法律の改正はなかった。薬物・麻薬取締法では、薬物の密輸やその関連犯罪は裁判官の裁量により死刑を科すことができる。
今年に入ってから、サウジアラビアでは128件の死刑執行があった。
アムネスティ国際ニュース
2022年11月10日
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