サウジアラビア:ヌビア人が追悼行事計画で実刑のおそれ

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2022年9月 2日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:サウジアラビア
トピック:先住民族/少数民族

エジプト出身のヌビア人住民組織のメンバー男性10人は、1973年のアラブ諸国とイスラエルの戦争(第4次中東戦争)の犠牲者を追悼する行事を企画したとして罪に問われている。裁判は著しく不公正なため、8月31日に予定されている裁判では実刑を言い渡されるおそれがある。

10人は2年以上も恣意的に拘束され、その間、適正手続きに違反した不公正な裁判の法廷に立たされてきた。10人は、単に地域行事を企画し地域団体を設立しようと表現と集会の自由の権利を行使しただけだった。

そもそも集会の自由の権利を行使しただけの10人が逮捕されるのはもってのほかだ。ましてテロ対策裁判所として悪名高い特別刑事裁判所の法廷に立たせるようなことはあってはならない。10人を即時釈放し、すべての容疑を取り下げなければならない。

10人の中には、年長者や糖尿病や心臓血管などの疾患を抱えている人がいる。当局はこの人たちに勾留中、十分な医療を提供する必要がある。

当局は、この茶番の裁判に終止符を打つべきだ。また、ヌビア人など少数派の民族含め、市民の表現と結社の権利の行使を犯罪とするのをやめるべきだ。長らくサウジアラビアに住んできた10人の基本的な人権である表現、集会、結社の自由の権利は、尊重されなければならない。

背景情報

男性10人は、第4次中東戦争の犠牲者を追悼するイベントを2019年10月25日に開催する予定だったが、当日の朝、逮捕された。2019年12月25日、10人は起訴されることなく保釈され、起訴手続きが再開されるまで渡航を禁止された。2020年7月に再逮捕・勾留され、当初の2カ月間は家族や弁護人との面会を認められなかった。

2021年11月10日、特別刑事裁判所の初公判に出廷し、そこで1年4カ月ぶりに弁護人と対面した。親族によると、10人の容疑は無許可での住民組織の結成、ムスリム同胞団との連帯、SNSへの投稿だった。

1月24日に開かれた2回目の公判で、被告側は「自白は強要された」などと主張した。検察がこの主張に異議を申し立てたため、裁判官は被告側弁護人に修正を命じた。

特別刑事裁判所での次回の公判は、8月31日にリヤドで開かれる。

アムネスティ国際ニュース
2022年8月30日

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