サウジアラビア:死刑執行続く 今年すでに100人

  1. ホーム
  2. ニュースリリース
  3. 国際事務局発表ニュース
  4. サウジアラビア:死刑執行続く 今年すでに100人
2023年9月20日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:サウジアラビア
トピック:死刑廃止

サウジアラビアは、死刑の適用を制限すると繰り返し表明してきたにもかかわらず、今年これまでに100人を処刑した。生存権を冷然と否定する同国の姿勢が浮き彫りになっている。また、犯行時18歳未満でも容赦なく命が奪われることへの懸念が高まっている。

サウジアラビアは死刑執行件数で世界の上位に入る死刑大国だ。国際人権基準を満たさない不公正な裁判の挙句、数回のツイートから薬物関連の犯罪まであらゆる行為に死刑を宣告している。

8月だけでも週平均4人に死刑が執行された。その中には薬物の密輸で執行されたパキスタン人男性もいる。国際法は、「最も重大な犯罪」にあたらない薬物関連の犯罪への死刑を禁止している。

背景情報

定期的に死刑執行を伝えるサウジ通信社は9月8日、今年100件目の死刑が執行されたと報じた。同社が報じた昨年の死刑執行数が実際の件数を下回っていたことを考えると、今年これまでの件数は100件を超える可能性がある。

サウジアラビアの昨年の死刑執行数は196件だった。この件数は2020年の7倍、2021年の3倍にあたり、アムネスティの記録では過去30年間で最も多い。

昨年11月には、2020年1月から停止していたという薬物関連犯罪に対する死刑執行が再開された。さらに、シャリア(イスラム法)で死刑が義務付けられていない罪には、死刑の適用を制限すると繰り返し表明していたにもかかわらず、幅広い犯罪で死刑が執行されている。

裁判所は頻繁に死刑を言い渡している。特別刑事裁判所は今年7月、当局を批判するツイートをしたというだけの男性に死刑を宣告した。被告人の兄によると、死刑判決は弟が訴えていた政治的見解に対する報復措置だった。

アムネスティは、犯罪の種類や状況、有罪・無罪、個人の特質、執行方法などを問わず、例外なく死刑に反対する。今日まで、112カ国がすべての犯罪に死刑を廃止し、全世界の3分の2以上の国が、法律上または事実上、この刑罰を廃止している。

アムネスティ国際ニュース
2023年9月8日

英語のニュースを読む

関連ニュースリリース