- 2016年2月25日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:米国
- トピック:死刑廃止
40年以上独房に収監されていたアルバート・ウッドフォックスさんが2月19日、釈放された。
死刑判決後、独房から釈放を求めて不断の闘いをしてきたウッドフォクスさんにとっては、あまりにも遅い釈放であった。残酷で非人間的で品位をおとしめる独房生活で失った歳月は、いかなる方法でも埋め合わせることはできない。この日は、ウッドフォックスさんの69回目の誕生日にあたった。
アムネスティ・インターナショナルは、世界中の彼の支援者とともに、ウッドフォックスさんと弁護団の根気強い闘いを高く称賛する。ウッドフォックスさんとともに看守殺害犯として有罪判決を受けていたハーマン・ウオレスさんは、すでに釈放されたが、その直後に亡くなった。末期の膵臓癌だった。それに比べれば、今回の釈放は、少しはまともで人道的な決断であった。
米国は今回の釈放を、刑務所や拘置所の独房に長期に収監する制度を改革する大きな節目にするべきだ。ウッドフォックスさんのケースは、現行の刑務所制度の欠陥が引き起こした最たる悲劇だ。この悲劇を二度と繰り返してはならない。ルイジアナは独居拘禁制度を早急に見直すとともに、米国が抱える大量投獄という問題解決に向け、力を尽くしていくべきだ。
この5年間アムネスティは、ウッドフォックスさんとハーマン・ウオレスさんの釈放を当局に訴えてきた。要請署名は65万以上にのぼる。国連の拷問に関する特別報告者であるフアン・メンデス氏は、ウッドフォックスさんに科せられた無期限の独房収監を非難し、「明らかに拷問に相当し、即刻釈放すべきだ」と語っていた。
これまで、ウッドフォックスさんに対する有罪判決は、3度覆されていた。2015年6月8日、ジェイムズ・ブレイデイ連邦判事は、ウッドフォックスさんに無条件の釈放を与え、州に再審を禁じた。しかしながら、その判決は、控訴で覆されてしまった。
アムネスティ国際ニュース
2016年2月19日
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