- 2016年12月14日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:米国
- トピック:
ドナルド・トランプ次期大統領は、レックス・ティラーソン氏を国務長官に、ジョン・ボルトン氏を副長官に指名する意向である。
この2人の指名は、国内外の人権活動を著しく損ねかねず、深く憂慮される。国務長官は、米外交のトップの立場に立つのであり、つまりは国際社会におけるトランプ政権の顔となる。ティラーソン氏は、大手石油会社の会長としてその利権を首尾よく守ってきたことは周知のことだが、人権も広く擁護するだろうか。
国務長官は、各国に人権基準を遵守するよう圧力をかける役割を担う。その中にはロシアも入るため、上院は、人権状況がお粗末なロシアとの関係をどう考えるのか、同氏にしっかり聞くべきである。米国は、世界各国に人権侵害の責任を問う者を国務長官に据えるべきである。自身がビジネスで利益を得てきた国を含めてだ。
国務長官に起用されれば、ティラーソン氏は国際社会に対する米国の顔として、トランプ政権が国際人権基準と人権法にもとづく米国の義務を確実に果たすようにしなければならない。
報道によると、ジョン・ボルトン氏がティラーソン氏のもとで日常業務を行うことになる。この人選により、国務省は近年で人権保護への姿勢で最低レベルの組織となる。ボルトン氏は拷問を含む多くの人権侵害を声高に支持する一方、人権を促進する国際機関を蔑視する発言をしてきた。彼は、ブッシュ政権時代に、米国は国際刑事裁判所への署名を破棄するだろうと明言するなど、同裁判所との関係を断つ急先鋒だった。
アムネスティ国際ニュース
2016年12月11日
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