米国:マニングさん過酷な投獄から釈放へ

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2017年5月25日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:米国
トピック:

「人びとの自由と尊厳を保障し保護するためには、国の機関の可視化が大前提だと思う」-チェルシー・マニングさん

チェルシー・マニングさんが5月17日、軍刑務所での服役を終え、ようやく釈放された。マニングさんは、米軍が戦争犯罪を犯した可能性などの機密情報を外部に渡したことで実刑35年を受け服役していた。

国のマニングさんへの対応は、常軌を逸していた。彼女は、公判開始まで11カ月もの間、拘束された。そして35年の有罪だった。これは、軍事関係者が殺人、強かん、戦争犯罪を犯した場合よりも、ずっと重いものである。また、自殺未遂の時は独房に入れられ、性別適合治療を求めた時は認められなかった。

その一方で、暴露された犯罪行為に関わったとされる関係者は誰一人として罪を問われていない。今回の釈放を歓迎する一方で、アムネスティは暴露された人権侵害疑惑の捜査を求め続けていく。また、チェルシーさんのような内部告発者が、過酷な刑罰を受けないよう予防措置をとるべきだと、訴えていく。

アムネスティは2013年にマニングさんの有罪が確定して以来、その釈放を求めて活動してきた。世界中の何千という活動家が、過酷な試練に置かれたマニングさんの支援運動を展開した。

2014年にはアムネスティが毎年実施している要請手紙書きのキャンペーン(ライティングマラソン)で、マニングさんのケースを取り上げた。世界中の約25万人から釈放を求める声が届いた。

これらのアムネスティの取り組みが奏功し、オバマ大統領(当時)は任期終了直前の今年1月、マニングさんに恩赦を与えた。

その時マニングさんがアムネスティに宛てた手紙には、「私は、正義や自由、真実、尊厳を否定された人びとを守るアムネスティの活動に賛同します。人びとの自由と尊厳を保障し保護するためには、国の機関の可視化が大前提だと思います」とあった。

マニングさんを見せしめにして、同様の告発を思いとどまらせようとするのは、権力側がよく使う手だ。だが、マニングさんの釈放は、人びとの力が国の不正義に勝利したということであり、世界中の人権活動家への大きな励みとなる。

アムネスティは5月半ば、人権のために声を上げる勇気ある世界中の活動家や内部告発者に焦点を当てた国際キャンペーンを開始した。

アムネスティ国際ニュース
2017年5月17日

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