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キューバ:国家が支配する市民の雇用

2017年11月29日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:キューバ
トピック:

キューバでは、政府が市民を統制する手段の一つに職場の雇用があり、少しでも政府に批判的な人物は、いずれ職場で嫌がらせを受けたり、職を失ったりすることが、アムネスティの調査で分かった。

キューバ政府は国内最大の雇用主であり、国の約70%の仕事が公務員である。残りの民間の雇用も国が牛耳っている。

アムネスティはキューバへの入国が認められていないため、キューバ市民への聞き取りは、メキシコにいるキューバ移民60数人を対象に行った。彼らのほとんどは、国の政治や経済を公然と批判したこともなかったし、いかなる政治活動や反政府運動に関わったこともなかった。しかし、彼らの約半数がこれまでに少なくとも1回は逮捕・投獄されていた。そのほとんどの罪状は、国際法では罪にはならないものばかりであった。

元店員のある女性は2011年、「牛肉を違法に購入した容疑」に問われて拘束され、証拠不十分で無罪を言い渡されるまで9カ月も刑務所に勾留された。

キューバの刑法には、犯罪とは無関係に、犯罪を犯す個人の傾向に基づく多数の制裁措置が規定されている。将来、反社会的だと思えなくもない行為に及ぶ可能性があるとか、社会に危険を及ぼす可能性がある、社会主義国家の社会・経済・政治的秩序の脅威となる、などと当局が判断すると制裁の対象となるのである。

たとえやんわりとでも国の政策を批判すると、一方的に職場を解雇されるか、執拗な嫌がらせを受け、辞めざるを得ない事態に追いやられる。あるいは国から嫌がらせを受け、出国を余儀なくさせられることもある。

また、一旦、政府に批判的意見を言った公務員が解雇されると、他の公務員職を得ることがほとんど不可能になる。他の公務員職に応募しても「信用できない」という理由で不採用となる。「信用できない」とは、しばしば「政府を批判する個人は信用できない」ということであり、多くの場合の不採用理由に使われる。

あるスポーツ選手は、テレビインタビューで「国の金銭的支援が不十分だ」と言ったため、次第に競技から外され、「仕事に必要な能力がなくなった」という一言だけで、公務員の解雇が決まった。「次の仕事を探すまで20日間の猶予を与える。無職であれば、警察から、危険人物の容疑で起訴されるからだ」と言われた。しかし、どの仕事にあたっても、「君は反革命主義者だ」と言われ、不採用だった。彼は家族を養うため、キューバを出ることを決めた。

2018年2月のカストロ議長退任を控える現在は、キューバの人権について意義ある対話をする好機である。キューバ市民の表現の自由を実現するために変化を起こす上で、この機会を逃してはならない。

キューバ当局は、国際法の視点からすべての刑法を見直し、政府批判者に対する差別や解雇、嫌がらせをやめるべきである。その実現なくしては、いつまでたっても市民にとって国は心の刑務所のままである。

アムネスティ国際ニュース
2017年11月16日

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