- 2018年9月 1日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:キューバ
- トピック:
キューバのミゲル・ディアス=カネル新大統領が4月に署名した法律(法令349)に、芸術家たちから抗議の声が上がっている。
同法は、音楽、舞踏、絵画を含むすべての芸術活動に対して、公私の場を問わず、文化省の許可を求めている。許可なく芸術活動をすれば資材の没収または罰金刑を受け、許可なく芸術家に仕事を依頼した場合は、依頼した側も制裁措置を受ける。12月の施行を前に、7月に官報で公布された。
複数の芸術家が、同法に抗議して拘束されたと報じられた。当局のこの対応は、これから起こりえる事態の不吉な予兆だ。アムネスティは、同法の正当性に異議を唱え、芸術活動の自由を求めて立ち上がるすべての芸術家を支持する。
1980年代に、芸術活動で自己を表現しようとした芸術家たちが、当局から嫌がらせを受け、恣意的に拘禁されるということがあった。当局は、国に批判的な芸術家の活動を監視するのではなく、彼らが自由に活動できるように対応を変えるべきだ。
あいまいな規制
同法で特に懸念されるのは、芸術家に対する規制が極めて広範で、その内容があいまいなことだ。例えば、音響や映像で「規則とは異なる愛国シンボル」や「性差別的で野卑あるいはわいせつな言葉」の使用を禁じている。
「わいせつ」「倫理・文化的価値に有害」などといった概念をもとに芸術表現を禁じることは、国際人権法が求める「正当な目的・必要性・均衡」に反している。条文があいまいであることから、この法律が、一層の批判封じに利用される可能性がある。これは、芸術家の権利を否定するだけでなく、情報や考えを入手するという市民の権利も損なう。
規制は、その必要性と妥当性が明確でなければならず、国家の治安、公衆衛生やモラルなど特定の公共の利益を保護するために適用すべきだ。
国際法の下、国家はあらゆる種類の考えや意見を自由に表現する権利を保護する義務がある。
アムネスティ国際ニュース
2018年8月24日
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