- 2018年4月23日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:スペイン
- トピック:「テロとの闘い」における人権侵害
2016年10月、スペイン北部のアルサスアのバーで乱闘騒ぎがあり、居合わせた警察官2人とそのパートナーの4人が負傷した。騒ぎをめぐり19才から24才までの若者8人が、テロ容疑で起訴された。有罪となれば、最高50年の実刑判決を受ける。
この裁判が、4月16日に始まった。
単なる傷害事件にテロ対策法を適用するのは、適用範囲があまりに広範で文言があいまいな法令に潜む危うさを象徴している。テロとは無関係な行為にもテロ対策法が乱用されかねないということである。
今回の起訴も、テロ対策法の目に余る乱用である。傷害事件としての捜査は必要だが、テロ容疑はまったく的外れであり、取り下げるべきだ。
被告人の1人は、警官に「お前たちがここに来れば、いつもこういう目に遭うぞ」と言っただけで、「テロの脅威」と見なされた。
アムネスティは、当局の恣意的な適用が可能なテロ対策法を以前から批判し、テロの対象を拡大する2015年の法改正に強く反対した。
審理は4月27日に結審する。
アムネスティ国際ニュース
2018年4月16日
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