- 2019年6月27日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:スペイン
- トピック:女性の権利
スペインの最高裁判所は6月21日、集団強かん罪で起訴され、下級審でより軽い罪で有罪となっていた男たち5人に強かん罪を適用し、実刑15年の判決を言い渡した。
一審と二審の裁判所は、女性は性行為に同意はしなかったが、強かん罪に問うだけの暴力や脅しはなかったとして、強かん罪より軽い性的虐待罪を適用した。この判決は、スペインで激しい怒りと抗議の渦を巻き起こしていた。
しかし今回、最高裁は、女性を脅し、同意を得ずに性行為をしたのは強かん罪にあたるとして、有罪判決を言い渡した。
ようやく正義が勝ち、被害者の権利が守られる形になった。しかし、被害女性にとって、正義の道のりはあまりに長く、さらなる苦しみを受けた。
同じ過ちを繰り返さないためにも、刑法改正は不可欠だ。
同意なき性行為は強かんであることは、言うまでもない。問題は、同意とは何かだ。物理的な抵抗をしなければ、性行為に同意したものとみなす考え方には、重大な問題がある。性的暴行を受けると被害者は動きたくても動けず、声を上げられない状態になり、抵抗などできないというのが専門家の一致した見方だからだ。
法改正により強かん犯罪がなくならないとしても、強かんとは何かを明確にする上で、法律の役割は大きい。
アムネスティ国際ニュース
2019年6月21日
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