- 2020年3月12日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:スペイン
- トピック:性と生殖の権利
(C) Amnesty International Denmark
スペイン政府は3月3日、同意がない性行為を強かんと定義するなど、性暴力への対応強化に向けた刑法改正案を閣議決定した。
この法改正は、朗報であり、同国の強かん被害者、そして数多くの女性や活動家にとっての勝利である。
女性や活動家たちは、抗議活動を通じて法律や政策面などで改革が必要だという社会の意識を高めた。
国際人権法と国際人権基準では、同意なき性行為は強かんとみなされる。アムネスティの調べでは、この解釈を採用する欧州の国は、31カ国中、スペインを含めても10カ国に過ぎない。
この機に、他の21カ国も法を改正し、強かん、同意、性的自律などに対する社会の認識を改めるべきである。
スペインでは昨今、耳目を集める強かん事件で被害者が泣き寝入りする判決が出されることが複数件あった。その一つが2018年、男5人による集団強かん事件の裁判で、下級審で強かん罪より軽い性的暴行罪を適用し、全国で抗議の声が沸き上がった。これを契機に、政府は、強かんなどの性暴力にかかわる犯罪の法的定義を見直すことを公約していた。
アムネスティは、法案全文の公開を待って、国際人権法と国際人権基準を順守しているか、精査する予定だ。
アムネスティ国際ニュース
2020年3月3日
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