- 2018年7月18日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:イラン
- トピック:
イランで14、5才のとき飲酒で有罪判決を受けた青年が、7月10日、公開でむち打ち刑を受けた。むち打ちという残虐行為を合法化している司法制度の非人道性が、浮き彫りになった。
何びとも、むち打ちなどという残虐な刑を受けてはならない。しかも今回の青年は、刑を言い渡されたのが、14、15才の時で、10年ほども前のことだった。
イランでは、身体刑がしばしば適用される。子どもも例外ではない。人間性をあまりに無視した刑罰の執行だ。これらの残虐な刑罰は、直ちに廃止されるべきだ。むち打ち刑以外にも、手足の切断や失明など、恐ろしげな刑がある。
今回のむち打ち刑は、ラザヴィ・コラサン州カシュマールの街角で執行された。住民が遠巻きに見守る中、木に縛り付けられた青年が、覆面をした男にむち打たれた。メディアは、その様子を撮った写真を掲載した。
検察官によると、青年は、14、15才のとき、婚礼の披露宴で飲酒した。その後、飲酒の罪でむち打ちの刑80回を言い渡された。その時の刑が、なぜ10年後の今になって執行されたかは、謎だ。
今年、同国で執行された残虐な刑には、窃盗犯の手の切断というのもあった。市民的および政治的権利に関する国際規約の締約国として、イランは、残虐で非人間的かつ品位を傷つける取り扱いや処罰を法的に禁じる義務がある。当局は、宗教倫理の維持に必要だとして、このような刑罰を正当化しているが、論外だ。
背景情報
同国のイスラム刑法第265条は、イスラム教徒の飲酒に対して、むち打ち80回の刑を科す。飲酒だけではない。窃盗、暴行、破壊行為、名誉毀損、詐欺のほか、不倫や未婚男女の肉体関係など犯罪にしてはならない行為を含む100以上の罪が、むち打ち刑の対象だ。
アムネスティ国際ニュース
2018年7月11日
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