- 2019年3月22日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:イラン
- トピック:女性の権利
ヒジャブの強制に反対するイランの女性たちが、日常的に道徳警察や政権支持派の自警団から、陰湿な嫌がらせや暴行を受けている。ここ数週間、ソーシャルメディアに投稿された動画がその様子を生々しく伝えている。
例えば、ある女性は、自警団に「ヒジャブをちゃんと着用しろ」と何度も迫られ、侮辱的な言葉を浴びせられて言い返すと、ペッパースプレーか何かを顔に噴きつけられた。別の動画では、ヒジャブを着用していなかった女性が、強引に警察車両に押し込まれようとしていたため、近くにいた男女数人が、女性を助け出そうとしたところ、警察に銃口を向けられた。
イランでは、権利擁護活動をする女性たちが、女性が日々受ける嫌がらせや差別に対する社会の関心を高めるために「マイカメラ・マイウェポン(私のカメラは、私の武器)」という運動をしている。その運動の一環として、ここ数週間、警察らによる女性らへの中傷や暴力行為を撮影しているのだ。
動画をSNSに投稿するのが、女性権利活動家でジャーナリストでもあるマシフ・アリネジャドさんだ。アリネジャドさんはこれまで、米国を拠点に数多くのヒジャブ着用強制に反対する運動をオンラインで行い、世間の関心を集めてきた。
警察の暴力が世間の耳目を集めていることを受け、国営メディアは、法律の廃止を求める人たちを激しく中傷する作戦に出ている。
ヒジャブの強制は、表現と宗教の自由、プライバシーの権利に対する明白な侵害である。イランの女性は、ヒジャブで髪の毛を覆い、手足を緩い布で覆わない限り、外出が許されない。イランの法律では、女性は、9才からヒジャブの着用を義務付けられ、公共の場での違反には10日から2カ月の刑または罰金を科される。実際には、7才の少女も着用を強制されている。
当局はこの1年間、着用強制に抗議する女性たちの取り締まりを強化してきた。3月11日には、着用強要に抗議して捕まった女性たちを弁護してきた人権派弁護士のナスリン・ソトゥデさんが、甚だしく不公正な審理で、33年の禁錮刑とむち打ち148回を言い渡された。ソトゥデさんはその活動ゆえに当局に目をつけられ、「体制批判プロパガンダの拡散」などでっち上げの容疑で、昨年6月に逮捕されていた。
アムネスティ国際ニュース
2019年3月12日
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