- 2019年4月10日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:サウジアラビア
- トピック:
サウジアラビア人ジャーナリスト、ジャマル・カショギさんが殺害されてから半年が経つというのに、公正な裁判が行われている様子はなく、真相解明に向けた国際的な動きもない。殺害事件が、安全保障や武器取引、ビジネス関係で結託するサウジアラビアと関係国により、闇に葬りさられようとしていることは明らかである。
サウジアラビアで行われている11人の被告に対する裁判は、信頼性と透明性を欠く。傍聴席に外交官を送り込んだ国々が公正な裁判への配慮からだと口を閉ざしていることには、とりわけ検察側の求刑に死刑も含まれていることを考えれば、あきれるばかりだ。
また、他国の外交官らの傍聴を認める一方で、監視機関やメディアを締め出しているのは、極めて問題である。一連の受け入れ難い状況の中での外交官の傍聴は、多くの問題をはらむ裁判を正当化してしまうおそれがある。
サウジアラビア政府側からの明確な説明や情報がないことや裁判に独立性がないことを考慮すると、国際的、独立的、公正な捜査が、この驚くべき犯罪を迷宮入りさせないために不可欠である。
サウジアラビアは、社会に横行してきた深刻な人権侵害に、終止符を打つべきである。恣意的な拘束や殺害などの人権侵害は、言語道断であり、人権活動家やジャーナリストらの自由な主張を認めるべきである。
背景情報
カショギさんは昨年10月2日、在イスタンブールのサウジ領事館内で殺害された。建物に入った直後に絞殺された模様だが、事件の詳細は明らかにされず、さまざまな見解や憶測が交錯して、真相はいまだ闇の中である。
現在、11人の被告が、特別犯罪法廷で殺人に関わる容疑で裁判にかけられている。
アムネスティは昨年10月、アントニオ・グテーレス国連事務総長に、事件の真相を解明する捜査の開始を求める働きかけを始めた。
アムネスティ国際ニュース
2019年4月2日
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