- 2019年8月10日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:サウジアラビア
- トピック:女性の権利
サウジアラビアでの女性抑圧の象徴である男性後見人制度で、女性の権利制限を一部緩和する法改正が実施される。同国の各紙が報じた。
過去数十年、女性たちは、移動や仕事、進学などに関わる判断を男性親族が下す後見人制度のもとに置かれてきた。女性は、人生の大事な局面での判断を男性親族に委ねなければならなかった。
改正案によると、女性は21才になるとパスポートが取得できるようになり、移動が大幅に自由になる。結婚届、離婚届、出生届、死亡届などを出す権利も認められる。世帯主になることや家族に関わる問題の判断も一部、認められる。ただし、結婚、刑務所からの釈放、保護施設からの退所などは、今後も後見人が判断する。
女性の権利獲得に向けた画期的な改正であり、長年にわたり女性権利を求めて闘ってきた人たちにとって勝利ではあるが、あまりにも長い道のりだった。
過去には、拘束された女性の中には、勾留中に性的嫌がらせや拷問などを受けたり、弁護人など外部との接触を断たれていた人もいた。女性の権利促進、後見人制度の廃止などの運動に関わって罪に問われた女性たちもいた。
一方、女性の権利を訴えて逮捕された人たちの多くは、今も裁判中か、釈放されても移動制限下に置かれている。
また、女性の権利運動を支持したために、容疑もなく勾留されている人たちが、少なくとも14人いる。裁判待ちの女性の息子、パレスチナ人の権利に関わる記者、女性の車運転の権利運動を支持した男性などだ。
サウジアラビアが、女性の権利の向上に本気に取り組むならば、現在、勾留されている人たち全員の容疑を取り下げ、即時無条件で釈放すべきである。
アムネスティ国際ニュース
2019年8月2日
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