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バングラデシュ:ロヒンギャ難民の子どもたち 「失われた世代」になる懸念

2019年9月 4日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:バングラデシュ
トピック:難民と移民

民族浄化政策によりミャンマー(ビルマ)からバングラデシュへ逃れて2年、ロヒンギャ難民は今もなお、過密で不衛生で最低限の生活にも事欠く環境に置かれている。さらに、難民の子どもたちは、教育を否定され、絶望と不安の日々のなかで、「失われた世代」となるおそれがある。アムネスティの現地調査で明らかになった。

バングラデシュ政府は、ロヒンギャ難民が当面、ミャンマーに帰還できないという見方を受け入れず、早期に帰還させるという方針を取る。その結果、子どもたちの教育の必要を認めないなどさまざまな制限を課している。何十年もバングラデシュで生活している人びとでさえ、移動を制限され、子どもたちは、通学を認められていない。

アムネスティは、2月11日から24日にかけて、バングラデシュのコックスバザールに調査員を派遣し、収容施設9カ所で難民97人に聞き取りをした。話を聞いた人の多くは、2年近くも粗末な仮設小屋に住み、猛烈な暑さやモンスーン時の洪水にさらされてきた。

学ぶ場がない子どもたち

バングラデシュで暮らすロヒンギャ難民おおよそ100万人のうち半数近くは18才以下とみられている。そのほとんどは、2017年8月に始まった治安部隊による掃討作戦でミャンマーからバングラデシュに逃れてきた人びとだった。それ以前から暮らす人の中には、バングラデシュで生まれた人もいる。

バングラデシュでの教育機会は、キャンプ内で許可されている教育施設にしても、地元の学校への通学にしても、極端に制限されてきた。今年1月には、コックスバザール近くにある中学校に通っていたロヒンギャの生徒たちの通学許可を取り消す通達が出された。

政府は、「教育は、難民のバングラデシュでの定着化を促進し、ミャンマーへの帰国を妨げることになる」と主張している。その後、ロヒンギャの子どもたちは、キャンプ内でも地元の学校でも教育を受けることができない事態が続いている。これは、子どもの人権のうちで最も重要な教育を受ける権利の明白な侵害であり、彼らの将来に計り知れない影響を与える。

子どもたちはアムネスティに「未来に絶望している」と話した。

過酷な暮らし

難民たちが、自分たちを受け入れてくれたバングラデシュ政府に感謝する一方で、難民キャンプの過酷な生活環境に不満を漏らしたのは、当然のことだった。

労働で収入を得ることは認められず、聞き取りをしたほぼ全員が、人道支援に頼らざるをえないという。その上、住居や水や食料、トイレやシャワーなどの設備など生活に最低限必要な物資や設備が不足していた。

政府は、難民の帰還あるいは無人島への移送の促進に主眼を置いているため、その政策は、短期的で緊急人道措置的だ。その結果、難民は何年も地に足がついた生活を送れない事態に陥っている。例えば、難民が住む仮設の家屋は相変わらず、モンスーンの季節になると、雨が漏れ、室内は酷く暑く、風は入ってこない。

過密と衛生の問題は、さらに深刻だ。飲料水は頻繁に汚染され、井戸水はない。移動の自由が制限されているため、病気になっても、キャンプ外の医者にかかることはできない。

離島への移送計画

政府は、問題解決策としてベンガル湾に浮かぶ無人の島、バサンシャルに難民10万人を移すことも検討しているが、これは、重大な人権侵害を引き起こすおそれがある。この島は、洪水などの災害に見舞われやすいため、難民をさらに孤立させ、一層厳しい状況に追い込んでしまいかねないからだ。

移送にあたっては、難民を孤立や隔離から守り、彼らの権利をこれ以上制限しないということを根本に据えるべきであり、明確な人権擁護政策に基づく長期的な戦略と計画案を早急に立てる必要がある。

計画には、移動の自由の確保、適切な住居、医療と教育などの提供が欠かせない。さらに、国際法に従って長期的な保護が受けられるようにすることも必要だ。

また、アムネスティは、主要各国に対し難民問題に関しバングラデシュとともに応分の負担をするよう求めている。経済的あるいは技術的な支援を大幅に拡大し、継続的に支援していかなければならない。

人は、ただ生きていければいいというものではない。他の人びとと同様にロヒンギャの人びとも、人としての権利と機会を得て、尊厳ある生活を求めている。

アムネスティ・インターナショナル 国際ニュース
2019年8月29日

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