- 2019年9月18日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:イラン
- トピック:女性の権利
女性の観戦が法律で禁止されているイランで、サッカー場に男装して入場しようとして罪に問われたサッカーファンが9月2日、焼身自殺を図り、その後病院で死亡した。この痛ましい悲劇は、女性の権利を踏みにじるイランの女性差別問題を世界にさらけ出した。
イランでは、法律に広く定められた、なんとも凄まじい女性差別が、生活のあらゆる面に定着しており、スポーツ観戦も例外ではない。世界広しといえども、サッカー場で女性の観戦を阻止し、処罰する国はイランだけだろう。
サハル・ホダヤリさん(29才)は今年3月、応援する地元チームの試合を観戦するために男装してサッカー場に入ろうとしたところ、警備員に見抜かれ、観戦を阻まれた。その後、警察に引き渡されて拘束され、2日後、保釈された。
後日、ヒジャブを着用せずに公共の場に出た罪に問われ、9月2日に出廷したが、休廷時、屋外に出たホダヤリさんは、ガソリンを浴びて火をつけ、7日後に死亡した。
この事件は、イラン国内でも大きな注目を集め、女性のサッカー観戦禁止に批判の声があがっている。時に、少人数が観戦を許されることがあるが、単なるパフォーマンスに過ぎない。禁止を全面的に解除するのでなければ、意味がない。
女性のベール着用の義務付けは、差別を受けない権利、信教の自由、表現の自由の権利などの侵害であり、アムネスティはこれまでも、大きな懸念を表してきた。
国際サッカー連盟(FIFA)とアジアサッカー連盟を含む国際社会は、イランに対して、女性を差別する法律の廃止と女性のスポーツ観戦の自由を求めるべきだ。
観戦が禁止されていなければ、ホダヤリさんが焼身自殺をすることはなかった。同じ悲劇を繰り返さないためにも、イランは、女性の権利に関する改革に本腰を入れて取り組むべきである。
アムネスティ国際ニュース
2019年9月10日
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