- 2019年10月 7日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:中国
- トピック:
香港政府は10月4日、公共の場で顔を隠すことを禁止するために、「緊急状況規制条例」を発動すると発表した。英国植民地時代にできたこの緊急条例の復活で、行政府は、身柄拘束や表現・集会の自由を規制する強大な権限を得ることになる。
条例に基づき、顔の一部または全面を隠すことを禁止する「覆面禁止法」が、10月5日から施行された。
香港政府は、警察の無用で過剰な力にもひるまなかったデモ参加者を徹底的に封じ込める新たな作戦に出た。
そもそも抗議する市民がマスクを着用せざるを得ない状況を作り出したのは、政府だった。恣意的逮捕や監視、催涙ガスなどによる無差別攻撃から身を守るためだ。抗議する人たちにとって、マスクの禁止は、厄介な問題となる。違反すると、1年以下の刑を受ける。医療目的や宗教上の理由で顔を覆うのは、例外とされる。
10月1日の抗議では、高校生に実弾が発砲され、催涙ガス1400発以上、ゴム弾約900発が発射された。この日以来、抗議する市民は香港各地で連日、怒りの声を上げてきた。
今回、香港政府は、市民との融和ではなく、強大な権限の発動による抑圧を選択、平和的集会の自由への不寛容さの拡大を鮮明にした。
アムネスティは香港政府に対して、表現の自由を尊重し、抗議の声を封殺するために過剰で強権的な手段を取らないよう、繰り返し求めていく。デモの規制強化に、緊急事態のための特別法を使うなど、あってはならない。
アムネスティ国際ニュース
2019年10月4日
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